Xboxは2002年2月22日にマイクロソフトが発売した据え置き型ゲーム機。
通常版は34800円、50000台限定のSpecial Editionは39800円。
(Special Editionは日本限定販売です)
(写真はSpecial Edition版)
2000年頃、ソニーはプレイステーション2でWintel(Windowsとintelの組み合わせを揶揄する表現)に挑戦すると宣言しており、
それに対抗する形でマイクロソフトがゲーム事業に打って出ることになったのがこのXboxです。
当時のセガ会長だった大川功氏がXbox開発の話を聞きつけ、マイクロソフトのビル・ゲイツ社長に
「セガのタイトルを提供するから、Xboxにドリームキャストの互換を付けてくれ」と直談判したという逸話がありますが、
結局この話は破談となりました。
これが実現していれば、Xboxはもっと魅力的なハードになっていたかもしれません。
Xboxの中身はほとんどパソコンと同等の構成となっており、
ソフト開発環境にDirectX(Windowsでも広く利用されている環境)を採用したことから、
開発が非常に容易であるというメリットがありました。(プレイステーション2は開発環境が複雑でした)
しかし、Xboxはプレイステーション2相手に成す術もなくやられました。
とりわけ、日本での売上げは壊滅的でした。
その失敗原因は多岐に渡り、負けるべくして負けたという印象です。
本体サイズがあまりにも巨大(幅324mm×奥行き265mm×高さ90mm/重量3.86kg)で、日本の狭い住宅事情には合いませんでした。
コントローラもプレイステーション2などと比べてかなり大型で、日本人向けとは言い難いものでした。
しかし、アメリカのコントローラ(DUKE)は日本のもの(AKEBONO)よりも更に大きかったのですから驚きです。
実際はアメリカでもDUKEは不評だったため、
(2006年にIGNが行った"最悪なゲームコントローラー TOP10"で2位を獲得する程)
後にAKEBONOが標準のコントローラになりました。
このあたりのユーザー目線の足りなさが、Xbox不振の一因となったことは間違いないでしょう。
Xboxが発売されてすぐ、「ゲームを遊んでいるとディスクに傷が付く」というクレームが多数報告されました。
これに対し、マイクロソフトは「傷が付いても遊ぶのには問題ない」と説明したことで、ユーザーからの怒りをかいました。
日本人はアメリカ人と違って傷物を嫌うという心理を理解できていなかったのです。
(まあこの説明をしたのは日本人なのですが)
この対応がまずかったと感じたマイクロソフトは、その後に本体の無償修理とディスクの交換に応じることとなりましたが、
一度失った信用は二度と取り戻すことはできず、売上げ不振を更に加速させることになってしまったのです。
ネットワークサービス"Xbox Live"も盛り上がらずに終わりました。
Xbox Liveへの登録にはクレジットカードが必要であり、
18歳未満のユーザーは親などに協力してもらわない限りオンライン接続を行うことができませんでした。
ネットワーク機能を標準搭載しているにも関わらず、それを利用するための敷居が高いという仕様は何とも残念です。
(ちなみに、後継機Xbox360ではプリペイドカード式が用意されたことにより、この問題は解消されています)
何より、キラータイトル不足だったことが致命的でした。
Xboxが発売された2002年には既にプレイステーション2が圧倒的な市場を形成しており、
ほとんどのサードメーカーはプレイステーション2に注力していたため、Xboxに主力ソフトを投入してくれたメーカーはテクモぐらいでした。
海外メーカー(特にアメリカ)はそれなりにタイトルを発売してくれましたが、
日本はとにかく洋ゲー(海外産ゲーム)は売れない市場ですから、どうにもなりませんでした。
結果的に発売されたソフトはマニア向けのものばかりで、ライトユーザー層はほとんど獲得できずに終わりました。
あまりの販売不振を受け、2002年5月22日から24800円に値下げされました。
発売からわずか3ヶ月で値下げを行うというのは前代未聞の事態です。
(3DO REALやプレイステーション3は発売前に値下げをしていましたが)
しかし、値下げをしても売上げは振るわず、日本国内での最終累計売上げはわずか50万台に留まりました。
ライバルハードのプレイステーション2は発売からわずか1週間で約63万台を販売していましたから、もう全く勝負になっていません。
ソフトについても、10万本以上を売上げたのはテクモの"DEAD OR ALIVE3"だけと、
なんとも寂しい市場として幕を下ろしました。
しかし、Xbox失敗の教訓が後継機のXbox360に(多少は)活かされていますから、
この失敗は無駄ではなかったのかもしれません。
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