ファイナルファンタジーはスクウェアが1987年12月18日に5900円で発売したファミコンのRPG。
ファイナルファンタジーのディレクターである坂口博信氏は、ずっとRPGの制作をしたいと考えていましたが、
ファミコンの性能や客層ではそれは困難であると判断し、開発を諦めていました。
しかし、1986年にエニックスがファミコンでドラゴンクエストを発売し、大ヒットしました。
ファミコンでもRPGが作れる&売れると知った坂口氏は、 かねてからの夢であったRPGの制作に着手するのでした。
スクウェアは、元々パソコンゲームで成長したメーカーでした。
その後ファミコンが大ヒットしたことで、スクウェアもファミコンに参入したものの、
なかなかヒット作が生まれず、経営難に陥っていました。
そこで、次回作がヒットしなければもう会社は潰れるしかない=最後のチャンス
ということから、タイトルが"ファイナル"ファンタジーとなったのです。
ドラゴンクエストの大ヒット後、ファミコンでも多くのRPGが発売されましたが、
そのほとんどが泣かず飛ばずに終わりました。
二匹目のどじょうを狙ったRPGのほとんどは、ドラゴンクエストの劣化コピーでしかなかったからです。
そんな中、ファイナルファンタジーはドラゴンクエストとは違ったアプローチをすることで、 差別化に成功したのです。
ドラゴンクエストは、主人公が基本的にしゃべることはなく、
それが主人公=プレイヤーが冒険するということを強く意識させる作りになっています。
それに対してファイナルファンタジーは、主人公=プレイヤーというわけではなく、
(第三者視点から)映画を見ているかのような作風になっているのです。
事実、ファイナルファンタジーは唐突にフィールドの真ん中にいるところからゲームが開始され、
冒頭のイベントや戦闘をこなした後に初めてオープニングが流れるという、
映画的な演出が取り入れられているのです。
この作風の違いがあったことで、ファイナルファンタジーはドラゴンクエストに埋もれることなく、
以後人気作へと躍進することになるのです。
前述の通り、当時のスクウェアは経営状態が悪く、
ファイナルファンタジーに会社の命運がかかっていました。
幸いにも、本作は52万本を売上げ、スクウェアを救う結果となったのでした。
ですが、当時のファミコンソフトは100万本以上を売上げるタイトルがいくつもありましたので、
(忍者ハットリくんですら150万本を売上げています)
52万本という数字は、あまりたいしたことはないようにも感じます。
しかし、当時のスクウェアにとっては充分に成功と言える数字であり、
また、数字以上に手応えを感じたことから、次回作の開発=スクウェアの存続が決定したのでした。
ちなみに、ドラゴンクエスト3の当初の発売予定日は、ファイナルファンタジーと同じ1987年12月でした。
当時のドラゴンクエストは既に大人気タイトルであり、
新参のファイナルファンタジーでは、とても太刀打ちできません。
(実際、ドラゴンクエスト3は380万本の大ヒットを記録しています)
しかし、ドラゴンクエスト3はシリーズ恒例の発売延期となったため、 ファイナルファンタジーは事なきを得たのでした。
もし、当初の予定通りドラゴンクエスト3が1987年12月に発売されていれば、
ファイナルファンタジーの売上げは振るわず、スクウェアは倒産していた可能性もあります。
スクウェアがなくなっていれば、当然その後のファイナルファンタジーシリーズも存在しません。
ファイナルファンタジー7は、プレイステーションをトップハードへ導いた最大の立役者ですが、
これも存在しなかったとなると、ゲーム業界の戦力図は大きく変わっていたかもしれません。
ドラゴンクエスト3の発売延期は、ゲーム業界にとてつもなく大きな影響を与えていたのかもしれませんね。
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