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ゲーム機の機能 有用編

1983年7月15日にファミリーコンピュータが発売されて、もうすぐ30年が経とうとしています。
ファミコンは史上初のゲーム機というわけではありませんが、
世の中に広く普及したという意味では、現代ゲーム史の始祖と呼べる存在だと思います。
この30年で、ゲーム機には様々な機能や仕組みが備わってきました。
その中には、現在のゲーム機に標準搭載されるようになった機能もあれば、
全く浸透せずに終わってしまった機能もあります。
そういった、ゲーム機の有用な機能(仕組み)のTOP5を選出しました。
ただ、あまりにも当然の進化(グラフィックが綺麗になったなど)については考慮していません。
判断基準は、あくまで筆者の独断であることをご了承下さい。

 

 

5位:互換機能(上位互換)


新たにゲーム機を買っても、前世代機のソフトが無駄にならない互換機能は大きなメリットです。
特に、まだソフトの少ないハード発売直後は、互換の有無が普及に大きく影響します。
ゲーム市場の特性として、一度流れに乗ったハードには、多くのサードパーティーが参入し、
その後も好循環が続くというのが通例です。
ですから、新規ハードのスタートダッシュを後押しする互換機能は非常に有効なのです。
事実、ハードメーカーとしてゲーム市場へ新規参入したハードを除けば、
互換のないハードが市場を制覇した事例は、スーパーファミコンただ一つです。
このことからも、互換機能が重要であることは間違いないでしょう。

ソニーが2000年に発売したプレイステーション2は、
プレイステーションとの互換が備わっていたことで、普及に弾みがついたことが知られていますが、
互換機能を搭載したのは、プレイステーション2が初というわけではありません。
1985年の時点で既に、セガが発売したセガ・マークIIIが、
前世代機のSG-1000シリーズと互換を有していました。
もっと言えば、SG-1000自体が、
ツクダオリジナルが発売したオセロマルチビジョンと互換(上位互換ではない)がありました。
セガはいつも目の付け所は良いんですけどねぇ…。

 

 

4位:ニンテンドーDSの様々な機能(二画面・タッチスクリーン・すれちがい通信)


・二画面になったことで、マップやステータスなどの情報を常に画面に表示できるようになり、
ゲームプレイが快適になりました。
・タッチスクリーンは、文字を書いたり、十字キーやボタンの代わりに使用したり、
画面に触れる直感的な操作を行ったりと、様々な活用方法があります。
・すれちがい通信は、 ネットワークに繋ぐことなく、他者とのコミュニケーションが図れることで、
ゲームを遊んでいない時でもゲーム体験ができるという新たな楽しみを生みました。
特に、ドラゴンクエスト9で社会現象とも呼べるすれちがいブームが起きたことは、
ゲームの新たな可能性を感じました。

これらの機能は、後継機である3DSにも継承されていますし、
二画面やタッチスクリーンは、据え置き機であるWiiUにも(若干形を変えて)採用されています。
また、ライバルであるソニーのVitaにも、
タッチスクリーンやnear(すれちがい通信の亜種のようなもの)が採用されています。
今後のゲーム機にも、こういった機能が標準搭載されていく可能性は高いと思います。

 

 

3位:アナログ(3D)スティック


ゲームハードの高性能化に伴い、昔では不可能だった3D表現が可能になりました。
3Dになったことで、ゲームの世界が大きく進化したのは間違いありません。
その3D空間を自由に動き回るための重要なデバイスが、アナログスティックです。
このアナログスティックを初めて搭載したゲーム機が、ニンテンドウ64です。(名称は3Dスティック)
3Dゲームは、ニンテンドウ64以前のセガサターンやプレイステーションでも多数発売されていましたが、
操作は普通の十字ボタンで行っていました。
ですが、十字ボタンとアナログスティックでは、3Dの操作性は段違いです。
3D空間を自由に動き回るには、微妙な角度の調整ができるアナログスティックが必要不可欠です。
(むしろ、アナログスティックなしで3D主体のゲーム機を作ったこと自体が疑問に思えてきます)
事実、プレイステーションは、 発売途中からコントローラをアナログスティックが付いたタイプに変更していますし、
後に発売されたほとんどのゲーム機が、コントローラにアナログスティックを採用しています。

ちなみに、この3Dスティックを提案したのは、マリオやゼルダの生みの親として知られる宮本茂氏です。
3Dゲームの魅力を最大限に活かすには、
アナログ入力の操作デバイスが不可欠だということを見抜いていたのは、さすが宮本氏であると感じます。

 

 

2位:ディスクメディア


ファミコン時代のソフトは、生産にコストや時間がかかるROMカセットを採用していました。
それがディスクメディアになったことで、低価格かつ大容量で生産も早いと、
非常に多大なメリットが生まれたのです。
ファミコン時代は数十キロバイト程度しかなかったソフト容量も、
今では数十ギガバイト(ファミコンの約100万倍)のソフトも珍しくなくなりました。
これだけの大容量を安価で実現できるようになったのも、ディスクメディアならではと言えるでしょう。

ゲームソフトにディスクメディアを採用した最初のゲーム機は、
PCエンジンの周辺機器として1988年に発売されたPCエンジンCD-ROM2ですが、
ゲーム機として広く普及させたのは、1994年に発売されたプレイステーションでしょう。
ディスクメディアの登場で、ゲーム機は一段上のステージに上がったと言えると思います。

ただし、ディスクメディアはデータの読み込みに時間がかかるという問題も孕んでいます。
また、容量の心配がなくなったことで、
ゲーム開発者は思いついた要素を何でもかんでも詰め込んでしまい、
結果、大して面白くもないゲームが出来上がってしまったという事例は多々あります。
ディスクメディアには、そういった負の側面もあるということを忘れてはならないでしょう。

 

 

1位:ネットワーク機能


現在のゲーム機は、据え置き機・携帯機問わず、全てネットワークに接続できる機能が備わっています。
ネットに繋ぐことで、世界中のユーザーと協力や対戦プレイが可能ですし、
体験版やダウンロードソフトなどが遊べるようにもなりますし、 ソフトのバグを修正できるパッチのダウンロード、
本体機能拡張のアップデートができるなど、 その恩恵は計り知れません。
ネットワーク機能によって、ゲーム機は非常に大きな進化を遂げたと言えるでしょう。

ただ、パッチでバグを修正できることで、メーカーがきちんとしたチェックを行わないままソフトが発売されたり、
パッケージを未完成に近い状態で発売し、続きはダウンロードコンテンツとして販売する、
といったあくどいやり方を行うメーカーがいることも事実です。
ネットワーク機能の充実が、必ずしも良い方向に働くわけではないということですね。
そういった心無いソフトメーカーには、今一度、自分達の行いを見つめなおしてほしいものです。

ちなみに、インターネットモデムを標準搭載した史上初のゲーム機は、ピピンアットマークです。
これは、世界累計でわずか42000台しか売れなかった究極の失敗ハードなのですが、
ネットワークの魅力にいち早く目をつけた、その先見の明だけは評価できるかもしれません。

 

 

総評

上記のTOP5の内、ネットワーク・ディスクメディア・アナログスティック・互換機能については、
初めて採用したのが負けハードであるところは興味深いです。
革新的な機能も、それを上手く活かすことができなければ意味がないということですね。

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