コンシューマーゲーム市場が誕生してから30年以上が経ちました。
その間、様々なメーカーから、数えきれないほど多くのハードが発売されてきましたが、
そのほとんどが、発売後に数度の値下げを行っています。
ユーザーにとっては、少しでも安くハードを買えるというのは嬉しいことですが、
値下げの時期や価格設定によっては、逆にユーザーに反感を買う場合もあり得ます。
そこで、値下げの仕方を誤ったと思われるゲームハードを3つ(+α)選出しました。
あくまで筆者の独断による順位付けであることはご理解下さい。
値下げ実施のデータは、以下のリンク先で詳しく記述しています。
関連リンク:ゲームハードの値下げ時期一覧
3位:ニンテンドーDSシリーズ
DSシリーズでの値下げに特に問題はないと思います。
(DSiLLの値下げが早い気はしますが、これは3DSの発売を間近に控えていた時期ですので許容範囲でしょう)
問題なのは値下げではなく、事実上の値上げが行われていたことです。
DSは、ノーマル版に加えて、DSLite・DSi・DSiLLと、いくつもの新モデルが発売されましたが、
その度に価格は上昇していったのです。
DS | 15000円 |
DSLite | 16800円 |
DSi | 18900円 |
DSiLL | 20000円 |
ノーマル版のDSは、Lite発売後しばらくして生産停止になりましたので、
DSを遊ぶにはLiteを買うしかなく、つまりは1800円の値上げがされたのと同じことでしょう。
また、後期にはLiteも出荷が減少して新規購入はほぼできなくなりましたので、
ノーマル版DSから考えると、3900円もの値上げが行われたことになります。
まあ、モデルチェンジする度に機能が追加されたりもしているので、
単純な値上げとは言えないかもしれませんが、ユーザーの負担が大きくなっていることは間違いありません。
しかし、このような実質値上げが行われていたにも関わらず、ハードは爆発的に普及していったのですから、
DSというハードがいかに魅力的だったかという証左でもあるでしょう。
2位:Xbox
発売から3ヶ月にも満たない期間での1万円値下げには驚きです。
(2002年2月22日:34800円→2002年5月22日:24800円)
これは、ゲーム史上における、ハード発売後の最短値下げです。
この値下げを実施するにあたり、値下げ前に購入していたユーザーを対象に、
Xbox早期ご購入ありがとうキャンペーンが行われました。
これは、Xboxコントローラ、メモリユニット、マイクロソフトのXboxソフト一本、
などの8つの商品から一つを、対象者全員に無料でプレゼントするというもの。
一応は早期値下げのお詫びがなされている点は評価できるものの、
プレゼントが定価1万円に満たないものしかなく、何とも中途半端なキャンペーンであることは否めません。
まあ、値下げが実施されたところで、Xboxは累計50万台という情けない売上げに終わりましたので、
結局は、この値下げもほとんど意味はなかったということでしょうか。
1位:ニンテンドー3DS
発売から半年足らずでの1万円値下げはひどいものです。
特に、初期にフレアレッドを購入した人はあまりにも不遇です。
3DSの値下げが発表されたのは2011年7月28日ですが、
その2週間前の2011年7月14日は、新色のフレアレッドの発売日でした。
新色発売からわずか2週間後に値下げが発表されるとは誰も思わなかったでしょう。
フレアレッドの投入でも販売が上向かなかったから値下げを決定したということなのかもしれませんが、
いくらなんでも、この値下げはいただけません。
値下げの早さという点では、Xboxの方がひどいですが、
3DSの値下げ率40%というのは、それ以上にひどいものです。
この数字は、スーパーファミコンの60.8%に次ぐ、値下げ幅第二位の記録です。
ですが、スーパーファミコンの値下げは発売から6年近くが経過してからのことですし、
既に後継機ニンテンドウ64も発売されていましたから、別段非難することでもないでしょう。
以上を加味すると、3DSの値下げ率は史上最悪だったとも言えるかもしれません。
一応、値下げ前の購入者には、お詫びとして、アンバサダープログラムという、
ファミコンとゲームボーイアドバンスのバーチャルコンソール20本分
(1万円相当)を無料でダウンロードできる権利がもらえましたが、
正直、これに1万円の価値はないでしょう。
とりあえず、ある程度の補償がされているだけマシなのかもしれませんけど。
前世代機DSが、どんどん値上げをしていっても好調な売上げを記録していたことで、
3DSは25000円でも売れるだろうと調子に乗ってしまったのでしょうか?
その価格設定失敗の代償が、上々以来初の赤字を招いてしまったのですから、
任天堂としては、大いに反省すべきところでしょう。
番外編:プレイステーション3
プレイステーション3の価格が最初に発表された際、
20GB版は62790円というあまりにも高すぎる価格でした。
(60GB版はオープン価格ですが、実際は20GBよりも更に1万円ほど高い価格になると言われていました)
この常軌を逸した価格に、クレームが殺到。
結果、発売の50日前になって、1万円以上もの値下げが発表されたのでした。
厳密には、これはユーザーにとっては全く不利益のない値下げではありますが、
発売前に値下げするというあまりにもマヌケな行為のインパクトが強かったため、特別に順位を付けました。
(余談ですが、松下の発売した3DO REALも、発売前に79800円から54800円に値下げされました)
ゲームハードは、ソフトを遊ぶために仕方なく購入するものであり、
ハードそのものがほしくて購入している人はまずいません。
重要なのはあくまでソフトであり、無闇に高価格にしたハードなんて必要ありません。
ハードメーカーには、無茶な値下げを行わないで済むように、適切な価格設定をしてほしいものです。
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