ゲームソフトの発売が延期されることは日常茶飯事です。
例えば、ドラゴンクエストナンバリングシリーズは今までに9作品が発売されていますが、
その内、一度も延期せずに発売されたのはドラゴンクエスト8だけです。
上記は極端な例ですが、ゲームは延期して当たり前といった風潮が業界内に蔓延していることは事実です。
ゲーム開発者の、この甘えは非常に問題だと思います。
これだけ延期がまかり通っている業界が他にあるでしょうか?
確かに、ユーザー側としては、未完成品やバグだらけのまま発売されるよりは、
延期してでもきちっと仕上げてくれた方がまだマシですが、
発売を今か今かと待ちわびていたファンにとっては非常に残念なことです。
ユーザーだけでなく、小売にも大変な被害を与えます。
予約者には発売延期の連絡を入れなければなりませんし、
ソフトの仕入れを前払いしていた場合、資金繰りが困難になる場合もあります。
個人経営のゲームショップでは死活問題になりかねません。
何よりも、ソフトメーカー自身が多大な損害を被るのです。
多くのゲームソフトには旬があります。
ドラゴンクエストやポケットモンスターのような大作ソフトならば別ですが、
一般的なソフトについては、ユーザーはそんなに長い間興味を持ってくれません。
雑誌で特集を組んでもらい、テレビCMで大々的に宣伝を行い、小売に販促ポスターやポップを配り、
ユーザーを煽るだけ煽ったにも関わらず発売延期、なんてことになったら全てが台無しです。
数ヵ月後にソフトが発売された頃には、もうユーザーの興味は別のゲームに移っていることでしょう。
(実際は延期後にも再度宣伝を行うでしょうが、もちろん二重に宣伝費が掛かってしまうことは言うまでもありません)
何故こんなに頻繁にゲームソフトの発売が延期されるのかと言うと、
一番の理由はスケジュール管理ができていないことだと思います。
本来ゲームの発売スケジュールは、開発スタッフ達が話し合い、 進行状況を見極めた上で決定するべきなのですが、
実際には会社の上層部がかなり勝手に発売日を決めてしまうことが多いのです。
ゲーム会社の社長は、ゲームの開発経験が一切ないド素人である場合も珍しくありません。
任天堂の岩田社長(元プログラマー)のように、ゲーム開発に精通している社長は稀有な存在です。
ゲームのことを何もわかっていない人物が、開発ペースに合わせた発売日なんて決められるわけがありません。
それ故に、会社の決算の都合で発売日が強引に決定され、結果、発売延期が相次いでしまうのです。
その点、海外ではゲームの発売延期が少ないように思います。
海外メーカーは、個々の役割がきちんと決められた開発体制が整っており、
それを統括する優秀なスタッフも存在するので、開発が円滑に進むのです。
日本のメーカーは開発体制がさっぱりなので、無駄に開発費も時間もかかってしまいます。
海外メーカーはものすごいハイクオリティなゲームをわずか1〜2年で完成させるほどの優れた開発体制がありますが、
同じ内容のゲームを日本のメーカーが作るなら、その倍以上の時間がかかってしまうでしょう。
(技術力がないから永遠に作れないかもしれませんが…)
この開発体制の悪さが、発売延期の一因になっているのかもしれません。
任天堂は、ニンテンドウ64時代にクオリティを追求するあまり発売延期を繰り返していたことを反省し、
ゲームキューブ以降は、確実に発売できる目処が付くまで発売日を発表しなくなりました。
(それでも、スマッシュブラザーズXのように発売直前で延期してしまった事例もあります)
極端な言い方ですが、発売日はソフトが完成してからでないと発表しないぐらいの姿勢を持って頂きたいものです。
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