任天堂とソニーは、言わずと知れた、ゲームハードメーカーです。
しかし、両社共ハードを販売しているだけでなく、自社でソフト開発も行うソフトメーカーでもあります。
そこで、両社はソフトメーカーとしてどれだけ市場を盛り上げてきたのかを調べてみました。
以下のグラフは、任天堂とソニーの、1996年〜2011年までの年別ソフト販売本数を表したものです。
週刊ファミ通が集計した、日本市場の年間ソフト販売本数TOP100までを参照しています。
ランキング100位以下のソフトは考慮していないため、
厳密な年間販売本数とは誤差があるということをご了承下さい。
任天堂は、毎年安定して500万本以上を販売しているところは流石です。
中でも、2006年〜2008年あたりの数字は特筆ものです。
2006年といえば、3月にニンテンドーDSliteが発売され、
マリオ・脳トレ・どうぶつの森などのキラータイトルの牽引によって、爆発的な普及を見せていた時期です。
また、2006年末に発売されたWiiも、WiiスポーツやWiiFitといった大ヒット作を生み出し、
ゲーム人口の拡大を実現させていたのです。
日本国内だけでも非常に数多くのゲームメーカーが存在する中で、
2006年〜2008年の任天堂は、一社で50%近いシェアを誇っているというのは、何ともすさまじいものです。
(株式会社ポケモンを含めた場合は50%を超えます)
この頃の任天堂は、日本のゲーム市場を完全に制覇していたと言っても過言ではないでしょう。
ただ、ここ数年の任天堂は、かつての勢いは見られず、
年間販売本数は、DSやWiiが大ブレイクする以前の水準に戻ってしまっています。
ですが、2011年末から3DSはかなり好調な販売を続けており、
今後の販売推移が上昇していく可能性は充分あるでしょう。
WiiUは発売初期から低迷しているところは懸念材料ですが、
今後有力タイトルが揃ってくれば、3DSのような復活も狙えると思います。
そのためにも、任天堂自身が市場を牽引できるソフトを生み出していく必要があるでしょう。
ソニーがプレイステーションを発売したのは、1994年末のことです。
プレイステーションは、発売直後はそれ程勢いがあったわけではありませんが、
1997年はじめにファイナルファンタジー7が発売されて以降、爆発的な普及を見せるようになりました。
この頃は、ソニーも自社でソフトをいくつも開発し、
プレイステーション市場を盛り上げようと奮闘していたのです。
しかし、プレイステーション2が発売された2000年頃からは、
急激にソフト開発をやる気がなくなったことが見て取れます。
自社でソフトを開発しなくても、多くのサードパーティーが市場を盛り上げてくれることに胡坐をかき、
自ら市場をリードしようという気概はなくなってしまったのです。
プレイステーション2の頃はまだそれでもやっていけていたのですが、
ソフトのマンネリ化により、サードパーティーの力は年々失われてしまっているのです。
それ故に、2004年末に発売したPSP、2006年末に発売したプレイステーション3、2011年末に発売したVitaと、
ソニーのゲーム市場は、年を重ねる毎にどんどん縮小してしまっているのです。
任天堂と違い、自社ソフトで市場を盛り上げる能力のないソニーにとっては、非常に厳しい情勢です。
ゲームハードは、ソフトを遊ぶために仕方なく購入するものですから、
魅力的なソフトがなければ、ハードの普及が進むはずがありません。
現在のプレイステーションの低迷は、 自社ソフト開発を怠ってきたソニー自身が招いた失態でしょう。
2013年末には、次世代機プレイステーション4が発売されるようです。
しかし、初代プレイステーションの頃のように、ソニーがソフトメーカーとして努力しない限り、
プレイステーション4が成功することは困難だと思われます。
ちなみに、以下は任天堂とソニー(SCE)の年度別の売上げと利益をグラフ化したものです。
このグラフと、上記の年別ソフト販売本数のグラフを見比べると、 おおよその相関関係があることがわかります。
自社ソフトがよく売れている時期は利益も高く、ソフトが売れていない時期は利益も低いように思えます。
ハードメーカーとはいえ、自社ソフトをしっかりと売っていかなければ、
大きな利益には繋がらないという証明になるのではないでしょうか?
ともあれ、こうして見ると、任天堂とソニーのソフトメーカーとしての力量の差は歴然です。
この二社がライバル扱いされているのですから、ゲーム業界とは奇妙なものですね。
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