ゲームにおけるムービーとは、一般的にプリレンダリングムービーのことを指します。
プリレンダリングムービーとは、あらかじめ高性能コンピューターで作成されたムービーデータを、
ゲーム内で再生する映像表現です。
CD-ROMによる大容量記録メディアの特性を持ったプレイステーションやセガサターンの登場時期から、
多く用いられる様になりました。
主にゲーム中のオープニングやエンディング、特殊なイベントの再現場面などで活用されます。
通常、ゲームの映像はゲーム機上で実行されるプログラムによってリアルタイムで表現されているため、
グラフィックの美しさはハードの性能によって大きく左右されます。
それに対してプリレンダリングムービーは、前もって作られたムービーデータを再生するだけですので、
ハードの性能に（あまり）とらわれない美麗な映像表現が可能なのです。
つまり、プリレンダリングムービーの美しさはゲームハードの性能によるものではなく、
ムービーを作成したコンピューターの性能が影響しているのです。
クオリティの高いムービーは演出として非常に有効で、
あたかも映画の1シーンを見ているかの様な臨場感を味わわせる効果があります。
一方で、ムービー再生中はプレイヤーは一切の操作が出来ない（ムービースキップが可能な作品もある）ため、
ゲームとしての面白さやテンポを損なうとして、これを嫌う声もあります。
また、実際のゲームプレイ映像とムービーでクオリティの差が歴然としている作品もありました。
ゲーム発売前に雑誌やテレビCMで紹介される映像は、
クオリティの高いプリレンダリングムービーを用いる場合が多く、
それを参考にゲームを購入すると、プレイ映像にがっかりするということもしばしば見受けられました。
この現象はプリレンダ詐欺と揶揄されることもあります。
近年ではハードの性能が上昇し、プレイ映像とムービーのクオリティに大きな差が生まれにくくなっています。
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