2011年9月は、ゲーム業界にとって激動の一ヶ月でした。
ドラゴンクエスト10がWiiで発売されるという正式発表、
何故か毎年来場者数が増える東京ゲームショウなど、多数のゲームイベントが開催されました。
中でも、9月13日に行われたニンテンドーカンファレンスは、正に衝撃的な内容でした。
このカンファレンスが行われる5日前のこと、週刊ファミ通誌面にて、
モンスターハンターの新作、モンスターハンター3Gが3DSで発売されることが発表されました。
モンスターハンターといえば、PSPを大きく躍進させたカプコンの大人気ゲームで、
特に、モンスターハンターポータブル3rdは、累計450万本を超える大ヒットを記録しています。
その大人気ゲームが3DSに移籍するということは、多くのゲームファンに衝撃を与えました。
しかし、その5日後にはニンテンドーカンファレンスが行われることが既に発表済みでした。
カンファレンスでモンスターハンター3Gを大々的に発表すればよかったのに、 と、多くの人が思ったことでしょう。
ところが、このモンスターハンター3Gはただの布石でしかありませんでした。
そのニンテンドーカンファレンスにて、モンスターハンター3Gに続き、
更なる新作モンスターハンター4が3DSで発売されることが発表されたのです!
あらかじめモンスターハンター3Gを発表しておくことで、
これ以上のビッグニュースはないと思わせておきながらの隠し玉の発表。
こんなサプライズがあるとは、一体誰が予想したでしょう?
ファミ通はモンスターハンター3Gを"10年に1度のスクープ!"と銘打って発表していたのですが、
実際はただの前座でしかありませんでした。
何とも滑稽なものです。
それまでの3DSは、東日本大震災の影響、ハード価格の高さ、キラータイトル不足などによって、
今一つ波に乗れず、売上げの低迷が続いていたのですが、
この2作のモンスターハンター発表によって、3DS市場は大きく勢い付くことになります。
正確には、8月の本体値下げに始まり、このカンファレンス、
そしてマリオやモンスターハンター3Gを投入した年末商戦と、
何とも見事な流れを作ったことにあります。
結果的に、3DSは発売一年で累計500万台を売上げました。
一年(52週)で500万台とは、前世代機DS(56週)をも上回る歴代ゲーム機最速の普及ペースです。
これだけ勢いづいたのは、モンスターハンターの移籍が大きく影響しているのは間違いないでしょう。
かつて、ファイナルファンタジー7がプレイステーションに移籍したことで、
プレイステーション市場は大いに盛り上がり、
ニンテンドウ64はプレイステーションに敗北したという歴史があります。
このモンスターハンターの移籍は、それに比肩する程の大事件だったと感じます。
(まあ、モンスターハンターがなくても3DSはVitaに勝っているでしょうが)
ちなみに、このニンテンドーカンファレンスの翌日、
ソニーはSCEJプレスカンファレンスを行いました。
しかし、こちらは何も目新しいことが発表されなかったひどい内容であり、
また、ゲーム紹介もとにかくグダグダで、史上最低の発表会だったと酷評されています。
何のビジョンもないにも関わらず、
ただ単に任天堂のカンファレンスに対抗するためだけに行われたのは明白です。
最高のカンファレンスを行った任天堂。
最低のカンファレンスを行ったソニー。
この時点で、この世代の携帯ゲーム機の覇者は決まってしまいました。
2011年9月は、ゲーム業界の激動の歴史として、これからも長く語り継がれていくことでしょう。
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