FPSとは、ファーストパーソン・シューティングゲーム(海外ではFirst Person shooter)
と呼ばれるゲームジャンルで、その名の通り、一人称視点で描かれる銃撃戦ゲームのことです。
海外、特にアメリカでは絶大な人気を誇るジャンルです。
FPSは、元々アメリカのゲーム会社id Softwareによって開発された、
DOOMという作品のヒットによって大きく普及したジャンルです。
FPSという言葉が浸透していない時期は、DOOM系などという表現が用いられていました。
FPSの人気タイトルには、HALO(マイクロソフト)や、Call of Duty(アクティビジョン)などがあり、
それぞれ1000万本級の売上げを誇っています。
中でも、Call of Dutyの最新作モダン・ウォーフェア3は、
アメリカとイギリスを合わせた発売初日の販売本数は、なんと650万本以上(4億ドル)を記録しており、
その圧倒的な人気の高さが窺えます。
しかし、そんなモダン・ウォーフェア3も、日本では累計30万本程度しか売れていないのです。
日本のゲーム市場規模は世界の15%程度だということからすると、
30万本という数字はあまりにも寂しいと言わざるを得ません。
これは別にCall of Dutyに限った話ではなく、日本で大ヒットしたFPS作品は存在しません。
何故日本ではFPSに人気がないのでしょうか?
理由の一つは、日本には銃文化がないことでしょう。
日本人で銃を撃ったことがある人はまずいませんよね?
ですが、アメリカでは銃を所持している一般人は珍しくもありません。
普段から銃に触れているかそうでないかというのは、興味の対象として大きく影響すると思われます。
また、グラフィックの嗜好の差も考えられます。
ゲームハードの性能の進化は目覚ましいものがあり、
現在では、実写と見紛う程のクオリティの作品も登場するようになりました。
FPSは、その映像の進化と共に大きく成長してきたジャンルです。
戦場の空気感を表現するためには、リアルなグラフィックが必要不可欠なのです。
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Call of Duty: Black Ops 2 (C)Activision
ところが、漫画やアニメ文化の強い日本では、デフォルメされたキャラクター作品が好まれ、
リアルタッチの作品はあまり人気がありません。
FPSのようなリアルなキャラクター表現は、日本人に受け入れられにくいのです。
更に、表現がリアルになったことで、残虐性やグロテスク具合なども、
より増して感じられるようになったと思います。
そういった過激な描写も、日本人から敬遠される一因になっているのかもしれません。
これは余談ですが、FPSは映像的にはリアルでも、ゲームの中身としてはリアルでないとも言えます。
例えば、FPSの多くの作品では、敵の射撃によってダメージを受けた場合でも、
しばらくの間ダメージを受けなければ、体力が全快する仕組みになっています。
また、銃弾を数発くらっても死ぬことはありませんが(頭部は除く)、
近接攻撃(ナイフや銃器そのものによる打撃など)は一撃で死亡する作品も多いです。
これらは、ゲーム性を追及する上では正しい調整ではありますが、 リアルという意味には程遠いものです。
そのあたりの割り切り方は、いかにもアメリカ的と言えるかもしれません。
そして、そもそもの問題として、
FPSに限らず、日本で海外産ゲーム…いわゆる洋ゲーは売れた例がありません。
(テトリスを洋ゲー扱いするなら、唯一売れた事例と言えるでしょうが)
別に日本人が海外文化を受け入れない人種というわけではないと思うのです。
ハリウッド映画は日本でも人気が高いですよね。
ビートルズやマイケルジャクソンといったアーティストの熱狂的なファンは、日本にも多いです。
マクドナルドやケンタッキーフライドチキンは、もはや日本人の食文化として定着しています。
しかし、何故かゲームに関しては、海外作品は人気がないのです。
このゲームだけの特異性は一体何なのでしょうか?
ですから、FPSだけが特別に人気がないというわけではないのかもしれません。
事実、日本でのFPS人気は年々右肩上がりで、2006年ではFPSは市場全体の0.5%しかありませんでしたが、
2011年では2.9%にまで増加しています。(ファミ通白書2012より)
FPS全売上げ | 全体に占める割合 | |
2006 | 356537 | 0.5% |
2007 | 492121 | 0.6% |
2008 | 675317 | 1.0% |
2009 | 810745 | 1.3% |
2010 | 974554 | 1.6% |
2011 | 1462232 | 2.9% |
FPSが、日本でも少しずつ受け入れられてきているということでしょう。
日本のゲームメーカーがどんどん衰退している現在、
今後は日本でも、洋ゲーが浸透していくのかもしれませんね。
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