ピピンアットマーク(ピピン@)は、バンダイとアップルが共同開発したMacintosh互換のゲーム機。
発売は1996年3月で、価格は64800円。
インターネットモデムを標準搭載した最初のゲーム機です。
ちなみに、ピピンとはリンゴの一品種。
(アップル社の製品は、よくリンゴの品種から名付けられています)
Mac OS(7.5.x)と互換性があり、Macintosh用ゲームも遊べるのが特徴です。
ただし、ハードディスクは搭載されておらず、
あくまでゲーム機(一応はマルチメディア機)という扱いです。
ハード性能自体は高かったものの、その致命的なソフト不足により、さっぱり普及しませんでした。
ピピンアットマークのソフトはガンダムばかりであり、
また、Macintosh用ゲームはそもそもほとんど存在しなかったので、
とてもハードの牽引は期待できませんでした。
ゲーム業界の歴史を見ると、マルチメディアをアピールしたゲーム機は必ず失敗しますね。
ユーザーは"ゲーム"を遊びたいのであって、それ以外の部分をオススメされてもしょうがないのです。
そもそも、アップル社はピピンアットマークの販売に全く乗り気じゃなかったらしく、
ハード開発の協力をしただけで、販売戦略には一切関与していないようです。
ハードを作るだけ作って後は放置、というのはあまりにもやる気を感じられません。
(最初からそういう契約だったのかもしれませんけど)
当時のアップル社は、スティーブ・ジョブズ氏復帰前の最底辺の時期であり、
やはり、ダメな会社は何をやってもダメということかもしれませんね。
バンダイはピピンアットマークの大失敗により、1997年3月期には65億円もの赤字となりました。
当時、セガとバンダイが合併して"セガバンダイ"になるという発表がされましたが、
それはこのピピンアットマークによる負債が影響していたのです。
(後にこの合併案は白紙となりました)
あまりの売れなさから、発売から約1年後の1997年5月12日にはハードの製造を中止し、
翌年3月にはバンダイデジタルエンタテインメント(担当子会社)を解散しました。
これは事実上の撤退でした。
最終的な売上げは、全世界合計でわずか4万2千台!
この結果は、世界で最も売れなかったゲーム機であると言われています。
(ピピンアットマーク以外は日本国内の売上げです↑)
どうでもいいことですが、累計4万2千台しか売れていないのに、
ハード製造を中止したのは、発売1年以上経ってからというのはどういうことなのでしょう?
その普及台数の少なさからもわかる通り、本機は非常にレアなハードであり、
今も所持しているという方は、是非大事にしていただきたいものです。
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