ドラゴンクエスト3は1988年2月10日にエニックスが5900円で発売したファミコンソフト。
ドラゴンクエストシリーズの第三弾です。
ドラゴンクエストは1や2の時点で既に大人気タイトルとなっており、
その続編であるドラゴンクエスト3は、発売前から大きな注目を集めていました。
元々、ドラゴンクエストは三部作の予定で開発されており、
ドラゴンクエスト3は、いわばその集大成と言える作品です。
"そして伝説へ…"というサブタイトルの意味が明かされるエンディングは秀逸です。
発売日には、全国の家電量販店等にドラゴンクエスト3を求めるユーザーが殺到しました。
特に、ビックカメラ池袋東口店では、行列が1万人を超えるというすさまじい規模になりました。
初回出荷数の約100万本は、瞬く間に売り切れとなったのです。
しかし、行列には学校を休んで買いに来た子供も多く、何人もが警察に補導される事態になりました。
また、ソフトを購入できなかった者が、窃盗や恐喝によって購入者からソフトを奪う、
通称"ドラクエ狩り"と呼ばれる事件も発生してしまいました。
華々しい売上げの影では、人気作故の問題も起こっていたのです。
そういった問題解消のために、以後のドラゴンクエストシリーズは基本的に土・日が発売日となり、
子供が学校を休んで買いに来るということはなくなりました。
(ちなみにドラゴンクエスト3の発売は水曜日)
また、できるだけ行列を作らないように、ゲームソフトの予約制度が実施されるようになりました。
現在のゲーム業界では予約制度が当たり前になっていますが、
これはドラゴンクエスト3の大ヒットが影響しているのです。
前二作では、ゲームを続きから遊ぶために、復活の呪文と呼ばれるパスワード方式を採用していましたが、
ドラゴンクエスト3では、バッテリーバックアップによるデータのセーブが可能になりました。
これにより、復活の呪文をメモする手間が省けるうえに、文字を写し間違う心配も解消されました。
しかし、当時のバッテリーバックアップは非常にデリケートなものでしたから、
接触不良などによって、データが消失してしまうことが珍しくなかったのです。
データ消失の際に流れる呪いの音楽はトラウマになった人も多いでしょう。
ドラゴンクエスト3は、シリーズで最も容量に悩まされた作品でしょう。
その容量は、わずか256キロバイトしかありません。
とにかくあらゆる無駄なものを削ぎとって削ぎとって、
それでも収まりきらなかったので、何とタイトル画面まで削ったのです。
しかし、極限まで無駄な内容を削り落とした結果、面白い部分だけが残り、
作品としては非常に魅力的なものに仕上がったのです。
ドラゴンクエスト3は、累計では380万本を売上げる大ヒットとなり、
ドラゴンクエストシリーズの人気を決定付けたのでした。
(関連リンク:容量削減の創意工夫)
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