セガサターン(以下サターン)は1994年11月22日にセガから発売された据え置き型ゲーム機。
価格は44800円。
本来は49800円にする予定で、発売半年間はサービス価格で5000円引きというつもりの価格設定でした。
しかし、途中で値上げをするのは印象が悪いということで、値上げすることはありませんでした。
1995年07月15日に34800円に値下げされ、1996年03月22日には20000円になりました。
サターンは土星の意味であり、セガ6番目の家庭用ゲーム機であることから、
太陽系第6惑星の土星にちなんで名付けられました。
しかし、それまでの5機種が何であるかについては諸説あり、(セガが発売したハードが5種以上ある)
何ともあやふやな命名であると言えるかもしれません。
メインCPUに32ビットプロセッサを2基搭載していたことから、
セガは64ビット級マシンとアピールしていました。
しかし、32ビットCPUが2つあるからといって64ビットになるわけもなく、ほとんど詐欺のような宣伝です。
(級とついているので嘘とは言えないかもしれませんが)
ソフトは前世代機メガCDに引き続きCD-ROMで提供されました。
プレイステーションはデータをセーブするためにメモリーカードが必須でしたが、
サターンには本体に内蔵メモリがあるため、周辺機器がなくてもセーブが可能でした。
ただ、セーブ領域が非常に少ないため、
ソフトによってはパワーメモリー(セーブ用カートリッジ)が必須になってしまうという、 何とも中途半端な仕様でした。
また、パワーメモリーは接触不良を起こしやすく、 セーブデータが消去されてしまうという問題が頻出しました。
パワーメモリーに泣かされたサターンユーザーは数知れません。
サターンは3D表現も可能であったものの、2D描画能力に優れており、
格闘ゲームやシューティングゲームが多数発売(特にアーケードからの移植が多い)されました。
ライバル機プレイステーションは3D描画能力に長けているものの、
2D表示は苦手であったため、その点ではサターンが勝っていたと言えるでしょう。
しかし、当時は3Dゲームが主流となってきていた時期であり、
3D表現ではプレイステーションに劣るサターンは苦しい立場にありました。
にも関わらず、セガ自身はバーチャファイターをはじめとした3Dゲームに注力していたのです。
このハード性能とソフト内容が乖離していたという戦略上のミスは、何ともセガらしいと感じます。
初期のサターンでは、暴力やアダルト描写といった18禁(X指定)ソフトが許可されていました。
ところが、1996年頃にはX指定ソフトを禁止するようになりました。
これは、当時はゲーム業界全体がPTAや消費者団体等から批判を浴びていた時期であったことや、
プレイステーションがライトユーザーを多く獲得して勢力を伸ばしていたことから、
サターンにクリーンなイメージを持ってもらえるようにということで行われた措置だったのです。
しかし、結局ライトユーザーはプレイステーションに根こそぎ奪われたうえ、
元々いたマニア層からも規制に対する不満が続出したという、何とも愚かな戦略となってしまったのです。
実はサターンは、セガ以外の会社からも互換機が発売されていました。
ビクターのVサターンは基本的にセガのサターンと同じですが、
日立のHiサターンにはビデオCD・フォトCD再生機能が備わっています。
また、ゲーム&カーナビ Hiサターンという機種もあり、
こちらはその名の通りカーナビ機能が搭載されています。
据え置きゲーム機をカーナビにしていったいどうしようというのでしょうか?
しかも価格はなんと15万円!
もう呆れるほかありません。
これはセガが発売したハードではありませんが、類は友を呼ぶということなのかもしれませんね。
プレイステーションはハードのパーツを自社で生産していたことや、
コスト削減がしやすい構造にしていたことで、頻繁にハードの値下げが行われました。
(39800円→29800円→24800円→19800円→18000円→15000円)
それに対してサターンは、パーツ数の多さや、複数社の半導体を採用していたことなどが災いし、
コストダウンが非常に難しいハードでした。
しかし、ライバル機プレイステーションはどんどん値下げをしてくるため、
サターンもそれに合わせて無理な値下げをせざるを得ませんでした。
結果、セガは膨大な赤字を余儀なくされたのでした。
サターンの普及台数はプレイステーションには及ばなかったうえに、大赤字ではありましたが、
累計では580万台を売上げ、日本のセガハードとしては最も売れた機種となりました。
しかし、世界市場では最も売れなかったセガハードでもあります。
(日本でしか発売していないハードは除く)
前世代機Genesis(ジェネシス=海外でのメガドライブの名称)はセガのハードで最も売れた機種であり、
その好調ぶりから、セガは周辺機器SEGA CD(日本でのメガCD)を発売するなどして、
ジェネシスの延命を試みました。
しかし、中途半端に延命したことが、次世代機(サターン)への移行の妨げになってしまったのです。
更には、メガドライブで人気を博していたソニック・ザ・ヘッジホッグシリーズをサターンでは発売しない、
という謎の戦略も問題でした。
日本ではソニックの人気は大したことはありませんが、 アメリカではマリオ以上の人気があったという話もあります。
そんな圧倒的な人気を誇るタイトルを発売しないというのは、もはや意味不明としか言いようがありません。
この頃のセガの迷走っぷりはすさまじいものがありますね。
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