ゲーメストは、新声社が1986年4月に創刊したアーケードゲーム雑誌。
新作ゲームの紹介や攻略記事をはじめ、全国のハイスコアやインカムデータなど、
様々な情報を網羅していました。
内容がかなりマニアック(特に読者コーナー)なところが特徴。
当時はまだインターネット(というかパソコン自体)が世に普及する前であり、
アーケードゲームについては、本誌がほぼ唯一の情報源でした。
それ故に、アーケードゲーマーのみならず、ゲームセンター経営者にとっても必読の雑誌だったのです。
本誌を語るうえで外せない点は、とてつもなく誤植が多かったことです。
以下はその一例。
・ハンドルを右に!→インド人を右に!
・ザンギエフ→ザンギュラ
・ラリアット→ウリアッ上
・しゃがみ大パンチ→しゃがみ大パンツ
・レバー+大パンチ→レバー+大ピンチ
・ジャンプニーキック→ジャンニーキックプ(本誌ではなく増刊のムック)
・次号予告に"2月30日発売"の表記
誤植だけでなく、意味不明な文章が掲載されていることも特徴です。
・具体的にセンチネルの2択とは、ジャンプ中キックと大足払いなのだが、まずは中キックと強足払いなのだが、
まずは中キックの全種類を説明しておこう。
・崩拳
中国拳法の形意拳の突き技で、大きく踏み込んで水平に突きを繰り出す。ゲーム中では威力がかなりあるものの、
出始めて、ガードされた後のスキが大きいため、よく潰されたり、するが、ガードさせれば反撃は受けない!反撃を受けたりする。
ゲーメスト編集部では、デジタル編集の設備導入がかなり遅く、
かなり長期間、手書き原稿を写植する手法が行われていました。
ライターの字があまりに汚かったことで、頻繁に誤読され、これだけ誤植が頻出したということらしいです。
そんなある日、突然新声社が倒産し、必然的にゲーメストも廃刊となりました。
この倒産は本当に突然の出来事であり、事実上の最終号となったゲーメストNo.274(1999年9月30日号)には、
しっかりと次号予告が掲載されています。
筆者はゲーメストの愛読者であり、この予告通り9月14日に書店へ購入に向かいましたが、
どの店でも見つからずに、必死に探し回ったという思い出があります。
数日後、かなり遠方にあったマルゲ屋(新声社が運営していたゲームグッズ専門店)まで出向いたところ、
店舗が閉店しており、そこで初めて新声社の倒産を知ったのでした。
その後、ゲーメストスタッフの多くがエンターブレイン(当時はアスキー)へ移り、
アーケードゲーム専門誌"月刊アルカディア"を創刊しました。
創刊号の表紙には「帰ってきたぜ!」という煽り文があり、
事実上の新生ゲーメストと言えるでしょう。
ただし、ゲーメスト時代のマニアックな内容は鳴りを潜め、
また、誤植もかなり減少してしまったことから、
個人的には、面白味はかなり失われてしまったと感じています。
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