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スーパーロボット大戦による二次ビジネスの可能性

スーパーロボット大戦は、かつてはバンプレストが、
現在はバンダイナムコが発売しているシミュレーションゲーム。
ガンダム・マジンガーZ・ゲッターロボ・マクロス・エヴァンゲリオン、といった有名ロボット達が、
作品の枠を超えて一堂に会するお祭り作品です。

スーパーロボット大戦の第一作目は、1991年4月20日にゲームボーイで発売され、
以後20年以上にわたって、様々なハードでシリーズ展開がされてきました。
初期の人気は今一つでしたが、シリーズを重ねる毎に多くのファンを獲得し、
今ではバンダイを代表する人気シリーズに成長したのです。
特に、プレイステーション2で発売された5作品は、どれも50万本前後の安定した売上げを記録していました。

タイトル 発売日 販売本数
スーパーロボット大戦Impact 2002年3月28日 580000
第2次スーパーロボット大戦α 2003年3月27日 530000
スーパーロボット大戦MX 2004年5月27日 520000
第3次スーパーロボット大戦α 2005年7月28日 600000
スーパーロボット大戦Z 2008年9月25日 480000

ゲーム市場の縮小が問題となっている近年において、
毎回50万本の売上げが期待できるというのは素晴らしいことです。

 

二次ビジネスに向いた作品

このスーパーロボット大戦には、他のゲームにはないメリットが存在します。
それは、参戦作品が多い故に、二次ビジネスのチャンスが非常に多いことです。
(関連リンク:ゲームは2次ビジネスが困難

世の中には、漫画やアニメを原作としたキャラクターゲームが数多く発売されていますが、
そのほとんどは、単一の作品を題材にしたものです。
それに比べてスーパーロボット大戦は、一作に10や20、あるいはそれ以上の数のロボット作品が登場します。

つまり、アニメのDVDやBlu-ray、プラモデルやフィギュアなどの関連商品の数は膨大であり、
一般のキャラクターゲームに比べて、かなりの利益が期待できるのです。
しかも、参戦作品が多いため、 「ガンダムは好きだけど他のロボットは全然知らないなぁ」というような人でも、
スーパーロボット大戦をプレイすることで、 今まで知らなかった作品に興味を持ってもらえる可能性は充分あるでしょう。

複数の漫画やアニメがクロスオーバーする作品はスーパーロボット大戦だけではありませんが、
1〜2年周期で新作が発売され、それが毎回50万本も売れている(いた)作品は、
スーパーロボット大戦以外には存在しません。

近年(という程でもないですが)、超電磁ロボ コンバトラーV・勇者ライディーン・
無敵鋼人ダイターン3などの昔のロボットアニメがDVD化されています。

昔のアニメがDVD化されることは別に珍しくもありませんが、
これらの作品がDVD化されるようになったのは、
スーパーロボット大戦出演による知名度の向上は少なからずあるでしょうし、
売上げにも貢献していることは間違いないと思われます。
DVDは、元々存在している作品をプレスするだけで済みますので、
製造コストがほとんどかからないというメリットがあります。
(リマスタリングする場合はこの限りではありませんが)
アニメDVDの販売枚数は、一般的なゲームの10分の1とか100分の1といったレベルですが、
過去作品の使いまわしで儲けられるというのは、非常にオイシイビジネスであると言えるでしょう。

元々、バンダイは多数のロボットアニメの超合金・プラモデル・フィギュアなどを販売していましたが、
基本的には、玩具展開されるのは放送中のアニメ作品だけで、
過去の作品を玩具化することはほぼありませんでした。(ガンダムシリーズは例外として)
しかし、近年はスーパーロボット超合金や超合金魂といった、
往年のロボットアニメを玩具化するブランドも誕生しており、
これらの展開が行われるようになったのは、スーパーロボット大戦の貢献が大きいと思われます。

 

スーパーロボット大戦をもとに発展した作品も

基本的に、スーパーロボット大戦に参戦する作品の基準は、
アニメ放送時にバンダイがスポンサーとして関わったものとなっています。(例外はいくつもありますが)
つまり、関連商品の売れ行きは、そのままバンダイの利益となるのです。
近年では、原作側から「自社の作品を出演させてほしい」と要望されることもあり、
そういった場合は、バンダイ関連ではない作品による売上げも期待できるかもしれません。

スーパーロボット大戦が原作になった事例もあります。
マジンガーZの強化型"マジンカイザー"は、元々原作の漫画やアニメなどはなく、
スーパーロボット大戦のオリジナルロボットとして登場しました。
このマジンカイザーに人気が出たため、後に同タイトルでアニメ化されるという、
通常とは全く逆の展開が行われたのでした。

また、獣装機攻ダンクーガノヴァ(旧:超獣機神ダンクーガ)や、鋼鉄神ジーグ(旧:鋼鉄ジーグ)など、
昔に放送されていたロボットアニメの続編が、数十年ぶりに製作されたという事例もあります。

これらの続編が製作されたのは、スーパーロボット大戦の影響が非常に大きいことは間違いないでしょう。

 

スーパーロボット大戦の弱点

ただ、スーパーロボット大戦特有の弱点もあります。
それは海外展開が見込めないことです。
日本のアニメ作品は海外でも非常に人気が高く、いくつものロボットアニメが世界各国で放送されています。
しかし、作品の権利を有している会社が国によって違うため、
それらをひとつのゲームとして販売することは、事実上不可能なのです。
それ故に、海外での販売は行われていません。(OGシリーズは除く)
昨今のゲーム市場は縮小傾向にあり、日本国内だけでゲームを販売していてはとてもやっていけませんので、
多くのゲーム会社は、積極的に海外展開を行っているのです。
それだけに、スーパーロボット大戦が日本での売上げしか見込めないというのは、
非常に厳しい状況でもあるのです。

また、権利関係については、日本でも問題があります。
参戦作品が多いということは、それだけ版権使用料にも影響しますので、
ゲームの売上げの割には利益が少ないとも言われているのです。

といった具合に、問題点が全くないわけではありませんが、
スーパーロボット大戦シリーズには、他のゲームにはない、大きな可能性があると思います。
ですが、どうもバンダイがこの逸材を上手く活かしているようには感じられないのは、 何とももったいないことです。

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