脳トレは任天堂が2005年5月19日にDSで発売した学習・教育ソフト。
正式名称は東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング。
東北大学未来科学技術共同研究センター教授・医学博士の川島隆太氏が監修しています。
簡単な計算問題や文字の音読など、脳を活性化させるためのトレーニングが多数収録されており、
それを繰り返し行うことで、トレーニング効果がより高まるとされています。
2004年12月2日、ニンテンドーDSは発売されました。
その日、任天堂の岩田社長は発売記念イベントのためにゲーム販売店に………は行かずに、
東北大学へと足を運んだのです。
"脳トレ"の試作品を川島教授に試遊してもらうためです。
DSの発売当日しかスケジュールが空いていなかったために、こんな強行日程になってしまったようです。
新型ゲーム機の発売日に、社長が外部の人間との打ち合わせに出向くというのは異例の事態です。
それは、岩田社長の脳トレへの強い思いによるものでした。
岩田社長は、DSの普及にはタッチスクリーン(タッチペン)を活かしたソフトが絶対に必要だと考えており、
そのために何としても脳トレを成功させたいと願っていたのです。
幸いにも、川島教授は脳トレの出来に非常に満足し、必ず成功すると太鼓判を押してくれました。
残念ながら、脳トレの発売初週の売上げは約4万5000本と、たいした売上げではありませんでした。
しかし、面白さが口コミで広まり、その後もじわじわと売上げを伸ばすことになります。
2005年の9月頃には敬老の日にお年寄りへのプレゼントとして選ばれるという、
過去のゲーム業界ではありえなかった現象が起こりました。
今までゲームに触れたことがなかったお年寄りたちにも、ゲームを楽しんでもらえるようになったのです。
売上げは更に伸び続け、最終的な売上げは約380万本と、DSを代表するキラータイトルに成長しました。
岩田社長の悲願は成就したのです。
その続編として発売された、
"東北大学 未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング"、
通称"もっと脳トレ"は、前作を更に上回る500万本という驚異的な記録を打ち出しました。
その人気から"脳トレ"という言葉が世に広まり、2006年の新語・流行語大賞トップ10に選出されました。
ちなみに、
東北大学 未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング
とは非常に長い名称ですが、実はこれは一番長いゲームの名前ではありません。
D3パブリッシャーから発売されているDSソフト、
THE 自動車教習所DS〜原動機付自転車・普通自動二輪・大型自動二輪・普通自動車・普通自動車二種・
中型自動車・大型自動車・大型自動車二種・大型特殊自動車・けん引〜
が最も長い名前のゲームソフトです。
実は、PSPでも同種のゲームである"脳力トレーナー ポータブル"が、
2005年10月20日にセガから発売されており、 こちらも同じく川島教授が監修しています。
しかし、こちらは累計約30万本と、DS版の10分の1にも満たない売上げに終わりました。
これだけ売上げが違ってしまった理由は、
・任天堂のプロモーションが上手かったこと
・PSPのユーザー層と脳力トレーナーのユーザー層が一致していなかったこと
・PSPにはタッチパネルがなかった(文字が書けない)こと
などが挙げられるでしょう。
脳トレで新規ユーザーを獲得できなかったことが、PSPがDSに敗北した理由の一つでしょう。
2012年7月28日には、
"東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング"
(通称"鬼トレ")が3DSで発売されます。
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