PCエンジンは、1987年10月30日にNECとハドソンが共同で開発した据え置き型ゲーム機で、価格は24800円。
ソフトはHuCARD(ヒューカード)と呼ばれるカード型のROMで提供されました。
これはライバルハードだったファミコンやメガドライブのソフトに比べてずっとコンパクトなサイズでした。
ハドソンは事実上PCエンジンのファーストパーティーでしたが、
PCエンジン発売後も、ファミコンやスーパーファミコンにもソフトを提供しており、
これはかなり異例の戦略と言えるでしょう。
というのも、ファーストパーティーは普通他社のゲーム機でソフトを発売することはありません。
例えば、ファミコンは圧倒的な普及を見せていましたが、ハードメーカーとしてのライバルだったセガは、
ファミコンで1本もソフトを発売していません。
ライバルハードを後押しすることになるのだから当然ですね。
そもそも、ハドソンは別に任天堂と勝負がしたかったわけではなく、
ファミコンで儲けたお金を使って、道楽半分でCPUを作ってみたというのが始まりだったのです。
(当時はファミコンの性能もだいぶ頭打ちしていた時期でした)
いわばファーストパーティーとしてはかなり特殊な存在であり、
セガや(後にライバルとなる)ソニーなどのファーストパーティーとは違う立ち位置であったと言えます。
PCエンジンはコア構想という思想があり、
その名の通り、パソコンの様に様々な拡張機能を追加することを視野に入れていました。
そのため、初期の本体には必要最低限の機能しか備わっておらず、
拡張用周辺機器がいくつも発売されました。
また、本体バリエーションがいくつもあり、
PCエンジンシャトル・PCエンジンコアグラフィックス・PCエンジンスーパーグラフィックス・
PCエンジンコアグラフィックスUなど、様々な種類が発売されました。
ただ、周辺機器にせよ本体バリエーションにせよ、非常に数が多いうえにその違いがわかりにくく、
その複雑さが、ユーザーに敬遠されてしまった要因でもあったのです。
PCエンジンはファミコンよりもずっと高いハード性能だったことで、
サードパーティーからも多数のソフトが発売されました。
特に、ファミコンでは移植が難しかったアーケードゲームがいくつも発売され、 一定の市場を築くことに成功しました。
とはいえ、販売台数としてはファミコンやスーパーファミコンには遠く及びませんでしたので、
やはり、数ある負けハードの一つでしかないという印象は拭いきれません。
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