1994年にゲーム業界に参入したソニーはプレイステーションを発売。
任天堂が発売したニンテンドウ64を圧倒し、ゲーム業界で任天堂を打ち負かした初めての存在となりました。
2000年には後継機プレイステーション2を発売。
こちらもまた、任天堂のゲームキューブを一蹴し、2000年代前半のゲーム市場を制覇していたのです。
しかし、ソニーが紛れもない勝者だったかというと、実はそうではなかったとも考えられるのです。
以下は、任天堂とソニー(SCE)の年度別の売上げと利益をグラフ化したものです。
これを見ると、1996年度からの11年間は、確かにソニーが任天堂を上回る売上げとなっています。
しかし、利益で見た場合、ソニーが任天堂を上回っているのは2002年度のわずか1年だけです。
プレイステーションやプレイステーション2が圧倒的な普及を見せていた時期でも、
任天堂の方が利益が多かったというのは驚きです。
これは、ソニーがハードを逆ザヤ、もしくはかなりの薄利で販売していたことが影響しているのでしょう。
ソニーはハードのパーツを自社で製作しており、
量産効果によってコストダウンしやすい仕組みになっていたのです。
その利点を活かし、ソニーはとにかく値下げを繰り返して、
セガサターンやニンテンドウ64などのライバルハードよりも安価に販売することで勢力を伸ばしていたのです。
ですから、利益はあまり高くはなかったということでしょう。
また、任天堂は据え置き市場では苦戦していたものの、
携帯ゲーム市場では、ゲームボーイやゲームボーイアドバンスで、
他社を寄せ付けぬ圧倒的な普及を見せていました。
それ故に、常に安定した(安定しすぎな)売上げと利益が確保できていたのでしょう。
そして、プレイステーションやプレイステーション2が長年かけて積み上げてきた利益も、
プレイステーション3の失敗によってそのほとんどを失ってしまったというのは、何とも情けない話です。
まあ、プレイステーション3の失敗はともかくとして、
はたして、プレイステーションやプレイステーション2は真の成功と言えるのでしょうか?
余談ではありますが、グラフを見る限り、ファミコン時代の任天堂はそれ程儲かってはいなかったのですね。
日本での累計販売台数はプレイステーションやプレイステーション2に引けを取らなかったものの、
当時はまだ欧州市場がほとんどなかったため、
世界全体のマーケットが小さかったことが影響しているのでしょう。
それに、ファミコン自体値段が安かった(14800円)ですから、
一台あたりの売上げがあまり大きくなかったことも一因でしょう。
それに比べたら、2007〜2008年あたりの躍進はすさまじいとしか言いようがありません。
任天堂がゲーム業界のトップに返り咲いた象徴的な結果です。
そんな任天堂も、2011年度は上場以来初の赤字となってしまったのですから、
ゲーム業界とはわからないものです。
(関連リンク:任天堂は何故赤字となったか?)
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