ワンダースワンは1999年3月4日にバンダイより発売された携帯ゲーム機。
株式会社コト(GAME&WATCHやゲームボーイを開発した横井軍平氏が任天堂を退社後に設立した会社)が企画・開発で協力しています。
本体が縦持ち・横持ちの両方に対応しているところが特徴です。
本体価格はなんと4800円という脅威の安さ!
コンシューマーゲーム機としては史上最安値です。
また、バッテリーは単三電池1本で約30時間も使用可能という超エコ仕様です。
ただし、低価格・低バッテリー消費を実現するために、画面はモノクロ液晶でした。
当時は既にゲームボーイカラーが発売されていましたし、
このワンダースワンとほぼ同時期にネオジオポケットカラーが発売されましたから、
モノクロのワンダースワンは今ひとつ魅力に欠けていた印象があります。
実際この流れには逆らえず、翌年にはワンダースワンカラー(後述)を発売することになるのです。
縦・横両方の持ち方に対応するため、いわゆる十字キー的なものは存在せず、全てボタンによって操作を行います。
操作用ボタンはA・B・X1・X2・X3・X4・Y1・Y2・Y3・Y4の10種。
横持ち時は、X1=上・X2=右・X3=下・X4=左 がそれぞれ十時キーの代わりとなります。
縦持ち時は、Y1=左・Y2=上・Y3=右・Y4=下 が十字キーとなります。
その価格の安さから一定の普及には成功したものの、
モノクロというデメリットは拭いきれず、普及は頭打ちとなってしまいました。
そこで、2000年12月9日には後継機ワンダースワンカラーを発売することになりました。
カラー化に伴い本体価格は6800円に上昇、バッテリーの持ちも単三電池1本で約20時間に減少しましたが、
これは充分頑張ったと言えるのではないでしょうか。
カラー化したことと画面が少し大きくなった以外は、ほぼワンダースワンと同じ仕様です。
本体と同日に発売されたスクウェアのファイナルファンタジー(携帯ゲーム機には初めての移植)によって、
ワンダースワンカラーは好調な滑り出しとなりました。(長くは続きませんでしたが)
当時のスクウェアは、ニンテンドー64を酷評したことで任天堂の山内社長の怒りを買い、
以後任天堂ハードではソフトを発売できなくなりました。
そのため、ゲームボーイではなく、普及率の劣るワンダースワンカラーで展開せざるを得なかったのです。
(現在では任天堂とスクウェアの関係は改善されています)
スクウェアの協力によって、ワンダースワン(カラー)は一定の市場を築き上げ、
両機種合わせて300万台の普及に成功しました。
しかし、ゲームボーイはカラーと合わせて3000万台以上普及しましたから、
それに比べれば物足りない結果に終わりました。
2002年7月12日には、ワンダースワンカラーの後継機スワンクリスタルが発売されました。
価格は7800円に上昇し、バッテリーは単三電池1本で約15時間と、ワンダースワンカラーよりも更に悪化しました。
ワンダースワンカラーは、STN液晶(画面の残像が激しく、暗い)だったので、
TFT液晶(残像が出にくく、明るい)を採用していたゲームボーイカラーやネオジオポケットカラーに見劣りしていました。
スワンクリスタルはTFT液晶を採用し、その問題は解決されました。
しかし、任天堂は既にゲームボーイカラーの後継機ゲームボーイアドバンスを発売していましたから、
ただ単に仕様が改善されただけのスワンクリスタルではまるで歯が立ちませんでした。
ファイナルファンタジー3や聖剣伝説2といったスクウェアの有力タイトルが移植される予定でしたが、
スワンクリスタルの普及の鈍さからか、結局発売されることはありませんでした。
この販売不振によって、2003年2月18日にバンダイはスワンクリスタルを受注生産へ移行すると発表しました。
これは事実上の撤退宣言でした。
これを最後に、バンダイはゲームハード事業から撤退することになったのです。
最終的に、本体は3機種合わせて350万台、ソフトは累計1000万本以上の販売となりました。
任天堂一強だった携帯ゲーム機市場にわずかでも食い込んだことは評価できますが、
ハード価格が4800円という安価であったことを考慮すると、やや物足りない結果かもしれません。
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