Nintendo Entertainment System(以下NES)は、海外における任天堂のファミリーコンピュータの名称。
ファミコンが日本で爆発的なヒットを記録したことから、海外進出を狙って発売されたのです。
1985年10月18日にアメリカで発売、その後もヨーロッパやオーストラリアなどで発売されました。
NESには、249ドルのDeluxeSetと、199ドルのActionSetの2バージョンがあります。
Deluxe Setにはファミリーコンピュータロボットが、
そして、どちらのバージョンにもダックハントと光線中が付属しています。
(正確には、ActionSetの付属品はスーパーマリオブラザーズとダックハントを1本にまとめたカセット)
ダックハントは、拳銃型コントローラ(光線銃)を用いて鴨を撃ち落すゲーム。
日本ではたいした売上げではありませんでしたが、
アメリカではこの本体同梱版のおかげで、非常に高い売上げを記録しています。
世界累計販売本数は2831万本にも上り、これは歴代ゲームソフトでも7位となる素晴らしい記録なのです。
アメリカはFPS(First Person Shooter)が最盛なことからもわかるように、銃を使ったゲームが非常に人気が高いのです。
NESにダックハントが付属していることも、そういった銃文化を考えてのことだったのでしょう。
(関連リンク:FPSは何故日本で売れないのか?)
NESの本体カラーはグレーを基調としており、日本のファミコンのデザインとはかなり異なっています。
また、2コントローラにマイクは搭載されていないません。
TVゲーム機に詳しくない日本人は、あらゆるゲーム機をファミコンと呼んだりします。
それと同じように、アメリカでは"ニンテンドー"という言葉がゲーム機の代名詞として広まっています。
これは、NESがアメリカ市場で広く受け入れられたという証左です。
しかし、任天堂は当初、NESの販売に非常に苦労したと言われています。
アメリカのゲーム市場はNES以前から存在していましたが、
1980年代前半に起こったソフトの粗製濫造、通称アタリショックによって、市場が崩壊していました。
それ故に、小売はNESに対しても非常に警戒心が強く、まともに取り扱おうとはしなかったのです。
そこで任天堂は小売に対し、
"仕入れ値は無料(売れたら原価分だけ徴収)、在庫が発生した場合でも返品を要求しない"
という破格の条件を提示し、なんとか店頭に陳列してもらったのです。
これは、任天堂にとっても一世一代の賭けだったと言えるでしょう。
幸いにも、NESは発売直後から好調な売れ行きを見せました。
アメリカで発売されたNESソフトは、日本で人気のあったファミコンタイトルを選りすぐって投入したことで、
非常にクオリティの高いソフトが揃っていたのです。
元々アメリカでは、Atari2600が2500万台以上も普及していた程に大きな市場が存在していましたから、
魅力的なゲームがあれば、多くのユーザーがそれに飛びつくのは当然と言えるでしょう。
一度崩壊したアメリカゲーム市場は、任天堂の手によって復活を果たしたのでした。
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