ニンテンドーDSは、任天堂が2004年12月2日に発売した携帯ゲーム機。
価格は15000円。
ゲームボーイアドバンスの後継機です。
DSとは"Dual Screen"(Dual=2つの)の略で、画面が二つあるという意味です。
"Double Screen"と呼ばれることもあります。
ニンテンドーDSが発売された2004年、任天堂は窮地に立たされていました。
その原因は、ソニーの躍進でした。
1996年に発売された据え置き型ゲーム機ニンテンドウ64は、 ソニーのプレイステーションとの対決に敗れ、
任天堂は家庭用ゲーム機戦争において初めての敗北を味わいました。
2001年には、ニンテンドウ64の後継機としてゲームキューブを発売するも、
再びその前に立ちはだかったソニーのプレイステーション2の足下にも及ばず、
任天堂は大敗を喫したのでした。
このように、据え置きゲーム市場では煮え湯を飲まされていた任天堂ですが、
携帯ゲーム市場では、ゲームボーイ、ゲームボーイアドバンスでトップを死守しており、
相変わらずの存在感を示していました。
その存在を脅かそうとしたのは、またしてもソニーでした。
2004年、ソニーは満を持して携帯ゲーム市場にも参入してきました。
ソニーの作り出したPSPは、据え置きゲーム機並みの性能を持ち、
更には音楽が聞けたり動画も見れるなどのマルチプレイヤーとしての機能も兼ね備えたハイテクマシンです。
当時のトップハードだった任天堂のゲームボーイアドバンスとは比べものにならない程に高性能です。
― 任天堂は据え置きゲーム市場に続いて携帯ゲーム市場までもソニーに奪われてしまう ―
ほとんどのゲームユーザーはそう感じていたことでしょう。
しかし、ここから任天堂の大躍進が始まるのでした!
任天堂は、ゲームボーイアドバンスを発売してからわずか3年半後に、
後継機DSを発売することを発表したのです。
通常、ゲーム機のサイクルは5〜6年程度ですから、
3年半という短い期間で後継機を発売することは異例です。
DSは、二画面やタッチパネルといった独自のインターフェイスを搭載しており、
当初は異質なゲーム機という印象を受けた人は多いのではないでしょうか。
ちなみに、二画面の案を出したのは、任天堂の前社長山内氏です。
この独自のインターフェイスは、新しいゲーム体験を生み、DSの大躍進に繋がったのです。
特に脳トレは、DSが大成功した象徴とも言える存在です。
脳トレは、お年寄り層という今までゲーム業界に無縁だったユーザーを獲得し、
ゲーム人口の拡大を実現したのです。
脳トレだけでなく、マリオ、ポケットモンスター、ドラゴンクエストなど、
従来からの人気タイトルも爆発的なヒットとなり、DS市場を大きく牽引しました。
2006年3月2日には、マイナーチェンジ版のニンテンドーDSLiteが発売されました。
小型軽量化されましたが、機能的には従来型とほぼ変わりません。
価格は16800円と若干高くなったものの、
従来のおもちゃっぽいデザインからスタイリッシュなデザインに変わったことで、 大人層からの人気も集めました。
そのあまりの人気ぶりから、発売から1年以上もの間ずっと品薄が続くという異例の大ヒットを記録しました。
日本での2006年の販売台数は、DSと合わせて900万台以上!
これは、日本ゲーム業界における年間最多ハード販売台数です。
2008年11月1日には、
SDカードやフラッシュメモリーを搭載したニンテンドーDSiを発売。
価格はまたもや上昇して、18900円となりました。
2009年11月21日には、画面サイズが大幅にアップしたニンテンドーDSiLLを発売。
価格はついに20000円にまでなりました。
事実上の値上げが行われていったにも関わらず、DSシリーズの売れ行きは留まるところを知りませんでした。
これまでの累計販売台数は、約3300万台!
それまでのトップだったプレイステーション2の約2200万台を1000万台以上も上回る記録を残しています。
世界累計では1億5000万台以上を販売しており、ゲームボーイ(1億1869万台)を上回る、
史上最も売れた携帯ゲーム機となりました。
これらは、ソニーのPSPを圧倒的に凌駕する数字であり、
任天堂は初めてソニーとの勝負に勝利したのでした。
ただ、華々しい売上げの影で、大きな問題も起こっていました。
それがマジコンです。
マジコンとは、マジックコンピュータの略で、不正なコピーソフトを動作させる機器の名称。
コンピュータソフトウェア著作権協会の調査によると、
マジコンによる被害は、2007年末までに3000億円を超えたと言われており、
ソフトメーカーを大いに苦しめたのです。
ただ、2012年現在では、マジコンの販売は違法となっており、
また、輸入も差し止めされるようになったことから、今後の被害は食い止められそうです。
DSの大ヒットにより、ゲーム市場規模は大きく成長しました。
しかし、ゲーム機のサイクルによる影響もあり、近年はDSの勢いは失われ、
ゲーム業界は縮小の一途を辿っています。
ですが、悲観するばかりではありません。
DSの後継機3DSは、DSには及ばないものの、絶賛大ヒット中であり、
現在のゲーム市場をリードする存在となっています。
3DSがDSのような爆発的なヒットを起こせるかどうかが、今後のゲーム市場発展のカギとなるでしょう。
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