PSXは、ソニーが発売したプレイステーション2の機能を持ったハードディスクDVDレコーダー。
ここで言うソニーとはSCEのことではなく、親会社であるソニーを指します。
発売日は2003年12月13日で、ハードディスク容量160ギガバイト版が79800円、
250ギガバイト版が99800円でした。
PSXが正式名称であり、決してPlayStationXという名前ではありません。
ちなみに、PSX(PS-X)という名は、初代プレイステーションの開発コードネームでした。
PSXの開発チームは、当時副社長だった久夛良木健氏が指揮する大規模なものでした。
(久夛良木氏は、初代プレイステーションを開発した中心人物です)
しかし、それとは別に少人数でDVDレコーダーを開発していたチームもあり、
そちらはスゴ録というブランドを立ち上げました。
この部署間の連携のとれてなさは、ソニーの伝統とも言えるでしょう。
ソニーはスゴ録よりもPSXに力を入れていたものの、結果的にはスゴ録が大ヒットし、
ソニーの主流レコーダーとなりました。
スゴ録は、当時は珍しかったアナログBSチューナーを内蔵しており、
NHK-BSで放送されていた"冬のソナタ"を録画したいという需要によって人気を博したのです。
PSXの250ギガバイト版にもBSチューナーは搭載されていましたが、
冬のソナタ目当ての客(主に中高年女性)には、
ゲーム機能が備わっていることが逆に煩わしく感じられ、敬遠されてしまったのでした。
また、PSX自体がゲームに向かないインターフェイスだったことも影響していると思われます。
PSXはあくまでメインはレコーダー機能であり、ゲームは付属物としての扱いをされていました。
そのため、コントローラ接続端子が本体背面にあるという、非常に使いにくい設計だったのです。
ゲーム開始まで時間がかかったのも問題でした。
ハードディスク内蔵の製品は、電源を入れてもすぐに使用はできず、
立ち上げにしばらく時間がかかるものです。
PSXでゲームを遊ぶには、ゲームにハードディスクを使わない場合であっても、
ハードディスクが立ち上がるまで待たなければいけないのです。
また、ゲーム画面を録画することはできません。
せっかくレコーダーとゲーム機が一体化されているのに、この仕様は残念としか言えません。
このような問題から、PSXの売上げはあまり振るわず、2005年2月には生産完了のアナウンスがなされました。
PSX開発陣はスゴ録開発陣に吸収され、PSXプロジェクトは終了しました。
久夛良木氏は、PSX失敗の責任をとる形でソニー副社長を退任したのでした。
プレイステーション・プレイステーション2と、ずっと好調を続けていたソニーのゲーム事業でしたが、
PSXで初めてケチが付いてしまった印象があります。
この後のソニーは、PSP・PS3・PSPgo・Vitaと失敗が続きますから、
PSXから何か歯車が狂ってしまったということでしょうか。
2011年7月24日に地上アナログ放送&BSアナログ放送が終了したため、
以後、PSXはテレビ放送の録画が不可能となっています。
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