ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オンラインは、
2012年8月2日にスクウェアエニックスから発売されたWii用ロールプレイングゲーム。
ドラゴンクエストシリーズの10作目です。
特徴は、シリーズで初めてオンラインゲーム(MMORPG)になったことです。
プレイには、インターネット回線と16GB以上のUSBメモリが必要となっています。
オンラインの名の通り、全国のプレイヤーがネットを介して集まり、 一緒に冒険をすることができるのです。
ドラゴンクエストの生みの親である堀井雄二氏は、
20年以上も前からドラゴンクエストのオンライン化を望んでおり、今回やっとそれが実現したのです。
一般的にオンラインゲームというものは、遊ぶために料金(主に月額課金)がかかります。
ドラゴンクエスト10でも、30日間のプレイに1000円が必要となっています。
オンラインゲームは、プレイヤー全員分のデータをサーバーで24時間やりとりするため、
そのサーバーを維持する費用が必要になります。
また、オンラインゲームは長期にわたって遊んでもらえるように、
定期的にアップデート(内容の追加)を行うのが通例です。
つまり、一般のゲームソフトのように、販売してしまえばそれでメーカーの仕事は終了というわけではなく、
販売後もずっと開発が続いていくわけです。
ですから、それらのサービスにユーザーが対価を支払うという仕組みになっているのです。
しかし、ゲームを遊ぶのに毎月お金がかかるということに抵抗があるユーザーは少なくないでしょう。
特に、お小遣いの少ない子供にとっては、月額費を支払うことは難しいでしょう。
そこで、ドラゴンクエスト10ではキッズタイムという制度を設けています。
これは、月曜日〜金曜日(祝祭日を含む)の16時〜18時と、土曜日・日曜日の13時〜15時の時間帯のことで、
この間は料金が発生することなく無料で遊ぶことができるのです。
また、キッズタイムという名称ではあるものの、実際は年齢確認等は行わないため、 大人でも無料で遊ぶことは可能です。
月額費用を徴収しないと運営していくことはできないものの、
少しでも多くのユーザーに楽しんでもらいたいというメーカーの心意気は素晴らしいと思います。
オンラインゲームというと、周りの人に気を使って遊ばなければいけないと思われがちですが、
ドラゴンクエスト10は一人でも遊べる作りになっていますので、そういった心配はあまりありません。
また、ログアウトしている時間に応じてもらえる元気玉(30分間、入手できる経験値とお金が2倍になる)や、
サポート仲間システム(自分が遊んでいない間でも他のプレイヤーが稼いだ経験値やお金が一部入手できる)など、
毎日遊ばなくてもいいという作りになっているのには感心しました。
普通オンラインゲームというのは、ユーザーをどんどんのめり込ませて課金を続けさせるものですが、
ドラゴンクエスト10はその真逆のようなシステムが採用されており、
実に気軽に遊ぶことができる作りになっていると感じます。
オンラインゲームの中には、与えられた命令を延々とこなすだけで、
ストーリーは希薄な作品というものも珍しくありません。
また、長期的に遊んでもらうために、
いわゆるボスキャラクターが存在しない(ゲームに終わりがない)という作品も多く見受けられます。
しかし、ドラゴンクエスト10は、従来と同じように壮大な物語を進めていくことになりますし、
きちんとボスキャラクターが存在し、エンディングも用意されているのです。
(ただし、エンディング後も物語は続いていきます)
つまり、オンラインになっても、従来とあまり変わりないドラゴンクエストが楽しめるのです。
ドラゴンクエスト10は、発売から1ヶ月で約50万本が販売されています。
従来のドラゴンクエストシリーズは、300万本以上は売れていましたから、
それに比べると、ドラゴンクエスト10の販売本数は随分少なく感じることでしょう。
(コンシューマのオンラインゲームで50万人というのは破格の人数なのですが)
しかし、オンラインゲームの収益は、パッケージ代よりも月額費用が重要なのです。
パッケージソフトの場合、だいたい定価の50%弱ぐらいがメーカーの取り分です。
1本のソフト価格が6980円とすると、だいたい3000円程度ということです。
従来のドラゴンクエストが300万本の販売だと仮定すると、約90億円の売上げになります。
ではドラゴンクエスト10の場合を考えてみましょう。
仮に50万人全員が月額課金(1000円)を行ったとすると(実際は全員が課金ということはありえませんが)、
スクウェアエニックスは毎月5億円を得ることになります。
実際には運営費用がかかるので、5億円が丸々儲けにはなりませんが、それでもかなりの利益となるでしょう。
つまり1年で60億円、2年で120億円、10年ならば600億円にもなるのです。
(厳密には、更にパッケージ代15億円分の売上げも加わりますが)
もちろん、プレイヤー数はだんだんと減少していくでしょうから、 常に毎月5億円という考えは夢見すぎでしょう。
しかし、長期にわたってサービスを続けられれば、
50万本のソフトが300万本のソフト以上の利益となることがおわかりいただけるでしょう。
事実、同じくスクウェアエニックスが運営しているオンラインゲームであるファイナルファンタジー11は、
販売本数はわずか16万本程度(日本のPS2版)でしかありませんが、
発売から10年以上が経った現在でもサービスが続いており、シリーズ最高の利益を生み出しています。
ですから、ドラゴンクエスト10の売上げを見て失敗と判断するのは、実に愚かであると言わざるを得ません。
また、一度大勢のユーザーが離れてしまったことで、以後のドラゴンクエスト人気が低下するのでは?
という懸念もあります。
しかし、ファイナルファンタジー11の後に発売された12(オフライン)は、
10(オフライン)とほぼ同等の約230万本を記録しているのです。
ですから、ドラゴンクエストがオンラインになったことでブランド力が低下するという心配はなさそうです。
ドラゴンクエスト11(仮)は、また300万本以上のヒット作となるでしょう。
そんなドラゴンクエスト10ですが、現在様々なマスコミから批判を浴びています。
しかしその内容は、
売上げが激減したから失敗(上記の通り販売本数だけで判断することは無意味です)だの、
月額費用を取るのは拝金主義(オンラインゲームは無料で運営できません)だの、
サーバーが初日からダウンして運営体制がなっていない(初日にサーバーダウンはしていません)だの、
ゲーム内システムが賭博罪に問われる可能性がある(ねえよw)だの、
全く的外れ(むしろ捏造)な批判ばかりなのです。
おそらくこれは、他のオンラインゲームやソーシャルゲームの運営会社からの圧力なのではないでしょうか?
(もちろん、某ハードメーカーも加担しているのでしょうけど)
50万人以上ものユーザーがドラゴンクエスト10をプレイしているということは、
それだけ他のオンラインゲームのユーザーが減少しているということでもあります。
故に、ドラゴンクエスト10が目の敵にされているのだと思われます。
しかし、こんな的外れな批判しかできないことが、
逆にドラゴンクエスト10の成功を証明しているようなものですね。
そして、ドラゴンクエスト10は、次世代機WiiUでも発売されます。
(画面が綺麗になっただけで、内容は同じです)
堀井氏が長年夢描いていたオンラインのドラゴンクエスト。
次世代機WiiUの登場で、ドラゴンクエスト10はますます盛り上がりを見せることでしょう。
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