サテラビューは、1995年に任天堂が発売したスーパーファミコン用衛星放送受信アダプター。
利用には、BSアナログチューナーやBSアンテナが別途必要です。
価格は18000円。
当初は通販のみで販売されていましたが、後に一部の店舗での店頭販売も開始されました。
データが放送されていたのはWOWOWの独立音声チャンネル"セントギガ"で、
1995年4月23日から2000年にかけて、BSオリジナルゲームや体験版を配信したり、
ラジオ音声番組(タモリ・伊集院光・爆笑問題など多くの有名人が担当)などが放送されていました。
しかもこれらのサービスは無料(広告収入によって運営)でした。
このような試みは、現在のネットワークゲームの先駆け的な存在と呼べるのではないでしょうか。
サテラビュー最大の特徴は、世界初となるサウンドリンク(音声連動)ゲームでしょう。
サウンドリンクゲームとは、あらかじめ決められた1時間にラジオ音声とゲームデータを放送するもので、
その放送時間内しかゲームを遊ぶことはできません。
操作説明やゲーム攻略のヒント等がゲーム中に音声で流れるので、
文字通り"サウンドとリンク"したゲーム体験ができるのです。
このサウンドリンクゲームには、
・BSドラゴンクエスト1
・BSゼルダの伝説
・BSファイアーエムブレム アカネイア戦記
といった有名タイトルが名を連ねていました。
「1時間でドラゴンクエストやゼルダの伝説をクリアできるの?」と思われるかもしれませんが、
実際にはゲームの一部分を切り取ったダイジェストを遊ぶ感じです。
「○○を入手せよ」とか「××へ行け」といったイベント的な内容がほとんどで、
決して1時間でゲームをクリアしなければいけないわけではありません。
放送終了後にはゲームの成績に応じたパスワードが表示され、それをハガキに書いて送ると、
抽選でプレゼントがもらえるといった懸賞企画も実施されていました。
今までのゲーム業界には例のないサービスを行っていたサテラビューですが、普及はさっぱりに終わりました。
当時はBS放送受信機器はまだまだ高価で、サテラビューが利用できる家庭は非常に少なかったのです。
そもそも、任天堂自身があまり積極的に宣伝を行わなかった(何故?)ため、
一般的な認知度が低いということもありました。
また、サテラビュー発売時は既にプレイステーションやセガサターンなどの次世代機が発売されていたため、
スーパーファミコンへの注目は失われていたのです。
サービス開始から1年後には、任天堂も次世代機ニンテンドウ64を発売しましたので、
スーパーファミコンを延命させる意味はなくなっていたのです。
末期にはゲームなども再放送(再配信)ばかりになり、2000年をもってサービスは終了しました。
衛星放送サービスというのは非常に面白い試みだったと思いますし、
現在のネットワーク社会の到来を見越した、任天堂の先見の明であったとも感じます。
しかし、まだまだインフラが整っていない時代にサービスを開始するというのは無謀だったのでしょう。
このあたりの時代を先取りした失敗というのは、セガに通ずるところがありますね。
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