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ファミ通

ファミ通は、エンターブレイン(元アスキー)の発行する週刊ゲーム情報雑誌。
元々はパソコン雑誌"Login"の一コーナーでしたが、
1986年6月6日に、雑誌ファミコン通信として創刊されました。
1995年12月22日発売の第368号から、正式名称がファミ通に改められています。

一般的にはファミ通と言えばゲーム総合誌である"週刊ファミ通"をさしますが、
他にも、"ファミ通DS+Wii"や"ファミ通Xbox360"などの特定のハード専門誌や、
"ファミ通Mobage"、"ファミ通GREE"といったソーシャルゲーム誌、
"オトナファミ"のような大人をターゲットにしたエンターテイメント系雑誌など、 その種類は多岐にわたります。
当ページでは、基本的に週刊ファミ通について記述します。

 

何故ファミ通だけが生き残ったか?

その昔は、"ファミリーコンピュータMagazine"・"マル勝ファミコン"・"ファミコン必勝本"など、
いくつものファミコン雑誌が発売されていました。
しかし、現在はファミ通以外の全てのファミコン雑誌が廃刊となっています。
当時のファミ通はトップゲーム雑誌ではありませんでしたが、どうしてファミ通だけが現存しているのでしょう?

多くのゲーム雑誌は、基本的に任天堂ハードのみの情報を扱っていました。
これは当時の任天堂ハードが一強状態だったのでおかしなことではありません。
ですが、1996年に発売したニンテンドウ64は売上不振に陥り、それに伴って雑誌の売れ行きも悪化しました。
そんな中、ファミ通は元々総合誌という体裁をとっていたため、
プレイステーションセガサターンなどの他ハードの情報に強かったのです。
途中で総合誌に路線変更した雑誌もありましたが、時既に遅く、
ファミ通がゲーム雑誌のトップに躍り出たのでした。

唯一生き残ったファミ通

ファミ通は、2012年現在の日本ゲーム業界における唯一の週刊総合ゲーム誌であり、
ゲーム雑誌としては、最も多い公称50万部の発行部数を誇っています。
ただし、これは印刷証明付発行部数ではなく、単なる自称であるため、
実際はこれよりもかなり少ない(半分以下?)と言われています。
ファミ通に限らず、雑誌の公称発行部数は信じるべきではありません。

発行部数の真偽はともかく、ファミ通は日本で最も売れているゲーム総合誌という立場でありながら、
中身は露骨なソニー推しと、任天堂(とマイクロソフト)を貶めるような内容になっています。
ファミ通の"ファミ"とはいったい何なのでしょうか?

 

ティアリングサーガ裁判

ファミ通が任天堂を敵視するようになった原因は、ティアリングサーガ裁判が原因だと思われます。

任天堂が発売していたファイアーエムブレムというソフトがあります。
これを開発していたのはインテリジェントシステムズという会社ですが、
ある時、その開発者の一人である加賀昭三氏が同社を退社し、新会社ティルナノーグを設立します。
このティルナノーグに協力してティアリングサーガの開発を進めたのが、
当時のファミ通の発行元であるアスキーです。

ティアリングサーガは、元々はエムブレムサーガという名称で、
いかにもファイアーエムブレムとの関連を匂わせるタイトルであり、
ファミ通紙面でも、キャラクターや世界観が繋がっているかのような記事を掲載していました。

これに対し、任天堂とインテリジェントシステムズは、
ティルナノーグとエンターブレイン(アスキーから分社)を相手取り、
ティアリングサーガを不正競争防止法違反と著作権侵害として、
販売差し止めと賠償金を求める訴訟を起こしました。

一審では任天堂側の訴えは棄却されました。
しかし、二審では不正競争防止法違反の一部が認められ、
エンターブレインに対し、約7600万円を任天堂側に支払うよう命じる判決が下されました。

ようするに、任天堂が「うちのゲームを勝手に作るな!」と訴えたら、
裁判所は「著作権的には問題ないけど、まぎらわしい売り方をするな」と判断したということです。

その後の任天堂の上告は棄却されたので、二審判決が確定しました。
この事件以降、任天堂はファミ通への情報一番出しを取りやめるようになったのです。

そういった事情もあり、現在のファミ通の任天堂軽視が始まったのです。
そもそも、近年の任天堂ユーザーは、ゲーム雑誌なんて全く読まないライトユーザーが多いですから、
任天堂はあまりゲーム雑誌での宣伝を重視していません。
そのため、ファミ通にとっては任天堂がオイシイ存在ではないということもあるのでしょう。
逆に、ソニーはファミ通へ積極的に情報を提供していますから、
ソニーの行灯記事が多くなっているのだと思われます。
世の中のヒット作と、ファミ通で特集されているタイトルが全く乖離しているというのは問題です。
こういう愚かしい行為が、ゲーム業界縮小に繋がっているのではないでしょうか?

 

ファミ通の存在意義とは?

また、ファミ通は雑誌の制作過程に非常に疑問があります。

PS2ソフト"あやかしびと"のゲームレビューでは、
「どの女の子といっしょに戦うかぐらいの選択肢しかない」
というコメントと共に辛辣な点数を付けていましたが、実際にはそんな選択肢は存在せず
全く別のゲームをプレイ(もしくは妄想)していたのではないかと疑われる事態となりました。

更には、攻略本の制作もメチャクチャで、
"真・女神転生"では150箇所以上もの間違いがあったり、
"テイルズオブリバース"では、ネット上の攻略Wikiを丸写ししているなど、
まともな雑誌ならありえないような体たらくです。

こんなのが日本のゲーム雑誌のトップなのですから、日本のゲームメディアはどうしようもないですね。

ゲーム業界が縮小している現在、ファミ通のようなゲーム業界最大手メディアが、
普段ゲームをしない人たちにゲームの魅力を伝えられるような紙面づくりにすることが必要だと思いますが、
実際のところ、全くそうはなっていません。
かといって、ゲーマーにも受け入れられるような内容にはなっていないのです。
本当に、この雑誌は何のために存在しているのでしょうか?

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