ゲームメーカーの失敗例、今回はブランドを過信したミスについてです。
ファイナルファンタジー14(以下FF14)は、ファイナルファンタジーシリーズの14作目であり、
ファイナルファンタジー11(以下FF11)に次ぐ、シリーズ2作目のオンラインタイトルです。
FF11は、日本のMMORPGとしては初めての大ヒット作と言えるでしょう。
サービス開始当初は、サーバーがユーザー数に耐え切れず、
ログインできない状況が数日間続くという問題を引き起こしていたものの、
次第に状況は改善され、ユーザー数が増加。
今では、シリーズ最高の利益を生み出す有料コンテンツに成長しました。
当然、オンライン2作目となるFF14も、大ヒット間違いなしと思われていました。
ところが、このFF14がまさかの大コケ!
スクウェアエニックスを窮地に追い込んだのです。
FF11と同じく、サービス開始当初はサーバーダウンが頻出、極めて不安定な状況が続きました。
FF11の反省点は全く活かされていなかったようです。
それに加え、もっさりしたテンポ、ユーザーインターフェースの悪さ、多発するバグなど、
その内容の酷さに多くの批判が寄せられました。
また、要求されるパソコンのスペックも高く、非常に負荷がかかるため、
パソコンがクラッシュしてしまったユーザーも少なくないようです。
あまりのクオリティの低さ故に、一部では、開発を中国の会社に丸投げしたという噂もあります。
(チョコボの名称が"馬鳥"になっているところなどに、その片鱗が見られます)
スクウェアエニックスも、もはやここからの改善は不可能と判断したのか、
ゲームエンジンから根本的な見直しを行い、
あらゆる要素を作り直した新生FF14を展開することを発表しました。
今後のFF14がどうなるのかは、これからの推移を見守っていくしかありませんが、
少なくとも、全面的に一新しなければならない事態に陥ったことは、
間違いなく失敗だったと言わざるを得ません。
FF11を大ヒットさせたスクウェアエニックスが、何故その成功を次に繋げられなかったのでしょう?
この失策は、映画ファイナルファンタジーに匹敵するかもしれません。
世の中にクソゲーと呼ばれるゲームは数あれど、
1982年にアタリ社から発売されたE.T.(Atari2600)の右に並ぶものはありません。
このゲームの前では、クソゲーの帝王と呼ばれたデスクリムゾンですら裸足で逃げ出すことでしょう。
E.T.といえば、スティーヴン・スピルバーグ監督が生み出した超有名映画です。
その作品をゲーム化したものが、このAtari2600のE.T.です。
このゲームがいかにクソであるかを言葉で伝えることは難しいので、
実際に映像をご覧いただだくことをオススメします。
You
Tubeで、"E.T. アタリ2600"などで検索してみると良いでしょう。
以下は、映像を見たという前提で話を進めさせていただきます。
筆者が最初にこのゲーム映像を見た時の感想は、「はぁ!?」でした。
正直、何をしているのかさっぱりわかりませんよね?
色々調べて見たところ、主人公である異星人E.T.を操り、通信機の部品を探し出し、組み立て、
最終的に故郷に帰ることを目的とした内容らしいです。
ただ、映像からはそれがほとんど理解できませんけど。
何故こんなひどいゲームが生まれてしまったのでしょう?
その理由は、E.T.の前に発売された、
Atari2600版のスペースインベーダーやパックマンにあると言われています。
スペースインベーダーやパックマンと言えば、アーケードで人気を博していた大ヒットタイトルです。
しかし、このAtari2600版は、ゲームとしてのデキ(移植具合)は決して良いものではありませんでした。
にも関わらず、アーケードの人気作が家庭でも遊べるとあって、Atari2600版も高い売上げを記録しました。
特にパックマンのヒットは、アタリ社の手抜きソフト開発体制に拍車をかけたと言われています。
原作人気にあやかって手抜きソフトを発売してしまうというという傾向は、
日本のキャラゲー市場のダメ具合にも通ずるところがありそうです。
手抜きソフトでも売れるという旨みを知ってしまったアタリは、E.T.でも大いなる手抜きに走ります。
開発期間はわずか6週間という、あまりにもひどい突貫工事が行なわれたのです。
しかも、E.T.の版権料は約2500万ドルにも上ったため、
この手抜きソフトを500万本(400万や600万という説もあり)も製造することになったのです。
しかし、当時大ヒットしていた映画版のおかげで、
何とこのクソゲーが150万本も売れてしまったのです。
まあ、350万本も在庫があるわけですが…。
ちなみに、この大量の在庫は、市内の埋立地に廃棄処分されたという都市伝説があります。
こういったソフトの粗製濫造が、
アタリショック(ビデオゲームショック)を引き起こした一因だったのです。
まあ、そのクソゲーを乱造していたのはハードメーカーのアタリなのですから、何とも愚かなものですが。
FF14にせよ、E.T.にせよ、元々の人気や知名度に胡坐をかいて、
手抜きのゲームを発売してしまったことが失敗の原因となったのです。
ゲームソフトの開発は、ブランドを過信することなく、
しっかりと作らなければいけないという教訓となったでしょう。
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