ゲーム業界が衰退している理由の3つ目は、ハード・ソフト価格の上昇です。
以下のグラフは、任天堂・ソニー・マイクロソフトの歴代ゲームハードの初期価格を表したものです。
(バージョンが複数ある場合は最も安価なものを記載/増加価格欄は前世代機から上昇した価格を記載)
据え置き機 | ||||
ハード名 | メーカー | 発売日 | 価格 | 増加価格 |
ファミコン | 任天堂 | 1983/7/15 | 14800円 | −−− |
スーパーファミコン | 任天堂 | 1990/11/21 | 25000円 | 10200円 |
ニンテンドウ64 | 任天堂 | 1996/6/23 | 25000円 | 0円 |
ゲームキューブ | 任天堂 | 2001/9/14 | 25000円 | 0円 |
Wii | 任天堂 | 2006/12/2 | 25000円 | 0円 |
プレイステーション | ソニー | 1994/12/3 | 39800円 | −−− |
プレイステーション2 | ソニー | 2000/3/4 | 39800円 | 0円 |
プレイステーション3 | ソニー | 2006/11/11 | 49980円 | 10120円 |
Xbox | マイクロソフト | 2002/2/22 | 34800円 | −−− |
Xbox360 | マイクロソフト | 2005/12/10 | 39795円 | 4995円 |
携帯機 | ||||
ハード名 | メーカー | 発売日 | 価格 | 増加価格 |
ゲームボーイ | 任天堂 | 1989/4/21 | 12500円 | −−− |
ゲームボーイブロス | 任天堂 | 1994/11/21 | 8000円 | |
ゲームボーイポケット | 任天堂 | 1996/7/21 | 6800円 | |
ゲームボーイライト | 任天堂 | 1998/4/14 | 6800円 | |
ゲームボーイカラー | 任天堂 | 1998/10/21 | 8900円 | -3600円 |
ゲームボーイアドバンス | 任天堂 | 2001/3/21 | 9800円 | 900円 |
ゲームボーイアドバンスSP | 任天堂 | 2003/2/14 | 12500円 | |
ゲームボーイミクロ | 任天堂 | 2005/9/13 | 12000円 | |
DS | 任天堂 | 2004/12/2 | 15000円 | 5200円 |
DSlite | 任天堂 | 2006/3/2 | 16800円 | |
DSi | 任天堂 | 2008/11/1 | 18900円 | |
DSiLL | 任天堂 | 2009/11/21 | 20000円 | |
3DS | 任天堂 | 2011/2/26 | 25000円 | 10000円 |
3DSLL | 任天堂 | 2012/7/28 | 18900円 | |
PSP | ソニー | 2004/12/12 | 20790円 | −−− |
PSPgo | ソニー | 2009/11/1 | 26800円 | |
PSvita | ソニー | 2011/12/17 | 24980円 | 4190円 |
任天堂の据え置き機は、スーパーファミコン以来ずっと25000円(税別)を維持しており、
価格設定には非常に気を使っていることが窺えます。
しかし、近年の携帯機の価格上昇は明らかです。
ゲームボーイはマイナーチェンジでどんどん価格が安くなっていたのに対し、
DSはマイナーチェンジの度に価格が上昇していました。
また、3DSは25000円という据え置き機並の価格だったことで、初期の販売は振るいませんでした。
確かに、3DSは発売直後に大震災に見舞われたことも、不振の大きな理由だったと思いますが、
価格面も相当な足かせとなっていたことは間違いありません。
事実、10000円の値下げを行ってからは、好調な販売推移を見せています。
ソニーの据え置き機では、やはりプレイステーション3の約50000円という価格には驚愕します。
(60ギガバイトモデルは更に1万円程高いです)
実はこれでも発売前に1万円以上の値下げが行われているのですから、何とも恐ろしいものです。
こんなにも高価格だったため、当然ながら、発売当初の売上げは振るいませんでした。
携帯機については、VitaもPSPを上回る価格となっており、やはり販売状況は芳しくありません。
(まあ、Vitaはもっと根本的な問題があると思いますが)
マイクロソフトのXbox360も、Xboxより約5000円アップしています。
マイクロソフトは、ゲーム業界ではまだ2世代しか経験していませんが、
やはり価格は上昇傾向にあると思われます。
といった具合に、近年のゲームハードはどんどん価格が上昇してきています。
当然ながら、価格が高くなれば、それだけハード購入者は減少してしまうでしょう。
この価格の上昇が、業界衰退に影響を及ぼしていることに疑う余地はないです。
やはりこれは、ハード性能を向上させすぎたことで、
それに対する製造コストも膨れ上がってしまったということなのでしょう。
技術の進歩にコストダウンが追いついていないというのは、
ゲーム業界に限った話ではないのかもしれませんが…。
また、ハードだけでなく、ソフト価格も上昇傾向にあります。
特に、HDハード用ソフトでその傾向が見られ、
プレイステーション3ソフトの平均価格は7066円です。
プレイステーション2ソフトの平均価格は6558円ですので、
若干ではあるものの、価格は上昇していると言えるでしょう。
(まあ、スーパーファミコン時代は1万円以上するソフトも珍しくありませんでしたから、ある意味安くはなっていますが)
わずか500円程度とはいえ、ゲーム市場のメインターゲットである子供にとっては大きな金額ですし、
ソフトを何本も購入することになれば、総額は数千円〜1万円以上も差がでてしまいます。
ソフト価格が高くなれば、当然販売本数は減少してしまい、市場の衰退に繋がります。
かつて、ニンテンドウ64がプレイステーションに敗れた理由の一つにも、 ソフト価格の高さがありました。
ハード性能の向上に伴い、ゲームグラフィックは格段の進歩を遂げてきました。
しかし、美麗なグラフィックを表現しようとすれば、その分ソフト開発費は上昇してしまいます。
その開発費高騰のしわ寄せが、ソフト価格に反映されているのです。
近年のiphoneのゲームは、一本85円や無料でダウンロードできるものも数多くあり、
ユーザーのゲーム価格に対する評価は厳しくなってきていると感じます。
こういった状況にありながら、コンシューマーゲーム業界のソフトは値上がり傾向にあるのです。
世界的な不況が続いている現在、ゲームのような娯楽費用は真っ先に削られる対象となるでしょう。
ハード・ソフト共に価格が上昇してしまっているゲーム業界が衰退するのは当然かもしれません。
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